ぽぽん

死ぬまでにしたい10のことのぽぽんのネタバレレビュー・内容・結末

死ぬまでにしたい10のこと(2003年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

賛否分かれる作品みたいだけども、私的には良かった。
闘病作品は美談の感動系にもっていくものが多いし、それはそれで感動するし、素晴らしい作品が多い。
でも今回の作品は視点が違った(いわゆる『最高の人生の見つけ方』とは全然違う)。

私はアンに感情がないどころか、とても愛情深く、母や妻としての役割を担いつつも23歳の女性としての瑞々しさも兼ね備えた人間味溢れる女性だと思った。
17歳で授かり婚したことに対する後悔や葛藤も持ち合わせてる。
たけど誰にも病を告げることなく振る舞い、逝ったであろう強さには脱帽。
残されるであろう夫や子供たちにメッセージを残しつつ、うまく溶け込めそうな継母の当てを探したり、そして多少の確執がありつつも母に生きがいを見つけるよう伝えたり、刑務所の中の父に最後に会いに行ったり。そして自分自身も恋をして。

この作品の不倫に対してブーイングの評価が一部あることも見終えた後知ったけど、この作品にリーとの恋(不倫であったとしても)がなかったら、アンが出来過ぎ人間だと私は思う。
取り乱すわけでもなく冷静に自分がいなくなった後のことを考えて行動しておくなんてなかなか出来ることじゃない。

でもダイエット気質の友達を優しく宥めるシーンや、オレンジやコップに入ったミルクをそっと触ったりするシーン。
いくらいなくなった後の準備をしたとしても、この世にまだ触れたいものがたくさんあったんじゃないのかなって思えてやっぱり切なくなった。
そしてアンの話だけど、アンから発せられるyouという語口のミステリアス感。

死んでしまえばなにも感じない、か。
普通は病でない限り、死は突然訪れる。
だからこそやっぱり生きているということは尊いのだと痛感した。

個人的にリー役のマークラファエロさんが好き。熊っぽくて可愛い。
と思ってたら『はじまりのうた』に出てた方だ!って気付いて嬉しくなった!
ぽぽん

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