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理由のodyssのレビュー・感想・評価

理由(2004年製作の映画)
4.0
【大林監督の傑作】

宮部みゆきの原作小説(私は未読)の映画化。大林宣彦監督作品。 

ミステリーだが、ドキュメンタリー的な手法が用いられ、事件に何らかの関わりを持った人々(総数は100人以上に及ぶ)へのインタビューによって作品が形作られていく。 

ジグゾーパズルを組み立てるようにして次第に事件の全貌が明らかになっていくのだが、単なる謎解きに終わることなく、時代背景や人々の家庭環境、おかれた社会状況などが多様性をもって浮かび上がってきて、また肝腎の犯人の動機については偉大なる空白とでも言いたくなるような、明かされずに終わるところもあって、しかもそれが結構説得的にできあがっていて、かなり水準の高い作品になりおおせていると思う。 

大林組の俳優たちがたくさん登場するのも、悪くない。
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