スキピオ

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますかのスキピオのレビュー・感想・評価

3.5
<自分、ガンダム派なので。>

傑作80年代アニメ映画の一つと数えられる一作。「ロボットアクション」なんだけど主人公とアイドル、女上官との「三角関係」が主軸、アイドルリン・ミンメイの「歌」が"星間戦争において"重要なキーになるという斬新な要素で誰でも「見やすい」と思う。

大幅に手直しが入っているとはいえTV放送の再編集という内容でストーリーの「駆け足感」は拭えないけど、話が2時間ギチギチに詰まっていてある意味テンポがいいとも言える。そして当時の最高水準と言われた作画のクオリティ自体は今観てもなかなか。なんとか単独の一本としてまとまっている感じはした。

ただ自分的には、ガンダム派なのでやっぱり合わなかったかな。「ガンダム」で言う所のファースト、「機動戦士ガンダム」と「Zガンダム」の間の作品ということもあり、実在の戦闘機をベースとした可変機がメインロボットだったり、ビームではなく斬新な動きのミサイルが中心の戦闘描写など、「ガンダムのカウンター」をみんなで一生懸命やろうとしている、がそれ以上ではないというか。戦闘シーンがミサイルばっかりで単調だし、富野監督の「機動戦士ガンダム」や「逆襲のシャア」のように今観ても唸るような戦闘演出や台詞の妙味、メカニックデザインのフレッシュさはなし。ロボットの戦闘において近接戦でメリハリを生ませるビームサーベルって偉大だったんだな。(可変機って発想はその後本家Zガンダムにも逆輸入されたわけだけど。)

恋愛ドラマパートはよかった。切ないよね。