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緑山高校 甲子園編(劇場版)のmitakosamaのレビュー・感想・評価

3.8
元々OVA10話ある内の1〜4話の総集編だそうな。映画バージョンは機会が無く見れないのだが、今回全話を視聴したので、4話までの内容からレビューを書きます。

ヤンジャン連載の野球漫画だそう。たぶん原作は相当絵が下手だったと思うのだが、そのテイストを活かしながらもキチンとアニメ絵にして動かしているのがスゴイ。カイジのアニメ化でも福本の下手な絵柄を残してたし、こういうヘタウマも表現できるアニメーターの技術は本当に驚きだ。
しかも極端にパースの付いた構図など、アニメーションとしても見応え十分。

話は1年だけの緑山高校が甲子園優勝に向け勝ち上がるというもの。前半4話分なので、当然途中までだ。

今作の面白さは、キャラの滅茶苦茶さがひとつ。プレーが滅茶苦茶な描写がひとつ。

キャラは大きく3人が中心。2メートル級の大型ピッチャーで180キロ近いストレートのみの豪速球を投げ、打っては場外越えを連発する二階堂(千葉繁)
比較的マトモなキャプテンの花岡(水島裕)二階堂の球を唯一捕れる捕手の犬島(玄田哲章)
とにかく3人とも自分が目立つことだけを考えていて、チームワークは一切無い。全員うぬぼれ屋で天狗になり相手に暴言を吐きまくる。もはやトリオのドツキ漫才だ。
これが千葉・水島・玄田の芸達者な声優陣で繰り広げられるのだ。つまんない訳がない。

そして野球の描写だ。何もかもぶっ飛んでいるのだがやはり二階堂のハチャメチャッぷりがタマラン。デカくて攻守共に出来るのでまるで大谷みたい。でも明らかにモデルは“怪物・江川”だよな。
(江川もあそこまでじゃないけど、ちょっと天狗みがあったもんな)
そして花岡と犬島には、星飛雄馬と伴忠太に対するオマージュとパロディ精神を感じる。従来の野球漫画・アニメを斜めから斬ってる作風が最高にロックだ。

改めて総集編を見たい。
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