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アンブレイカブルのyossieのレビュー・感想・評価

アンブレイカブル(2000年製作の映画)
3.6
ミスターガラスを観る前に予習。
少し前にスプリットを観て、続編をやると聞いていたのでこちらも期待して鑑賞。

確かに作品として面白かった。
でも終始雰囲気に重さが漂う。
この雰囲気が、デヴィッドの心境を表してるのであれば見事だと思う。

突然の列車事故で一人だけましてや無傷の生還。自分は生還したけれど…車のフロントガラスに挟まれた1通のメモから自分という人間に対して懐疑的になっていく。

ヒーロー誕生、と言うけれどデヴィッドは全くそんな気はなく日々平凡に暮らしている。
警備の仕事で感じているなんとなくコイツ怪しい的な直感。日々の体調も含めて大して気にはしていなかったのだろう。
その反面家族と微妙に距離を置いてきた事。それはおそらくデヴィッドが無意識下で自分が他人とはどこか違うと感じていることが象徴されている。
心のどこかで違和感を覚えつつも気のせいとかたまたまとかそんな感じでやり過ごしてきたのだろう。
ミスターガラスに改めて指摘された事で自分が何者なのかを探求し始める。

身体中の骨が脆い病気を持って生まれたミスターガラスの言う自分の存在価値。
スプリットもそうだがこのシリーズの主人公は異端な自分がこの世に存在している意味を渇望しているなぁと感じた。
その苦しさが作品全体にじわじわと重みをもたせてるのではないだろうか。

ミスターガラスに期待。
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