ヒラリー

晩菊のヒラリーのレビュー・感想・評価

晩菊(1954年製作の映画)
3.7
久々の成瀬巳喜男
元芸者の4人の女達
金貸しをやっている者もいれば、子を持った者もいる。
自分も年を取り、子も成長して自立
息子が持ってきたお金、それは妾の女から貰ったものでそんなものいらないとつっぱねる。
ずっと大事に育てた息子、息子も同様に母を大事に想っていて、なんか親離れ子離れ全然しとらんなぁ…ってちょっと気持ち悪くなってしまった。
突然の娘の結婚宣言、母は相手も見ずで不仲なわけでもないのになんかトリッキーだなと思ったり。
昔の心中未遂相手、恋仲相手が訪ねるもそれは自分に会いたいわけではなく自分が持ってる金目当て。
それを知った女は自分と言うものがすごく価値の無いようなものに思えてしまう。
金じゃなくてもそういう自分じゃない何かを求める相手を見てしまうと酷く相手に醒めてしまうものよね…。
女の幸せって一概に子育てだけではないと思うし、金を集めることでもない。
それぞれに一番があるわけでそれを他人に強要されたりするのも野暮な話、同じ価値観の人間が集まるのは仕方のない事。
晩年ってなんでこんなに物悲しいんやろか。
ヒラリー

ヒラリー