ナユRA

Ray/レイのナユRAのレビュー・感想・評価

Ray/レイ(2004年製作の映画)
4.2
鍵盤と指先。オープニングタイトルからセンスの良さを感じ、全編レイの音楽が流れ150分の長尺が心地よかった。

「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」と比較したくなった。

共通して、金と女と薬物、そして孤独と音楽が彼らの人生だったようで、同じように黒人差別の撤廃や学校支援などもしており、似ていることに驚いた。

ジェームスブラウンは母親に捨てられ愛に飢え、レイは暗闇と兄弟を亡くした罪悪感に苦しみ、他人を信用できないジェームスの方が悲しく、厳しくも母親に愛情を持って育てられ、良き伴侶に恵まれたレイの方が盲目にも関わらず明るく優しいものを感じた。

伝記作品はどこから物語を始めて終わるのかが特に重要に思う。
この作品に関してはラストがどうも好かない。
2人とも薬物と戦う人生でもあったわけで、断ち切ることができたレイは確かに凄いが、主は音楽なのだ。
なので、ジェームスブラウンの方がそれを印象づけていたし、この作品にはそれができてなくて非常に残念だった。

だがジェイミーフォックスの演技がうまく歌の吹き替えも自然で、映像のセンスと綺麗さからこちらの作品の方が好きだ。

「我が心のジョージア」の収録シーンと愛人に怒りの感情を歌わせるシーンがオススメ。
ナユRA

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