薄

あるいは裏切りという名の犬の薄のレビュー・感想・評価

2.9
フレンチ・ノワールの巨匠オリヴィエ・マルシャルの代表作……なんだけど男の矜持や、友情、裏切りといったフレンチ・ノワールの様式美的な要素が控えめにしか描かれていないのが驚き。これがネオフレンチノワールと呼ばれる所以なんだろうか。後年の「そして友よ、静かに死ね」なんかは如何にもフレンチ・ノワールらしい作品だったが……。

内容としてはドニがシンプルにクズな上にあまり優秀そうに見えずレオに見劣ってしまうのが不満。男同士のぶつかり合い!って感じに欠けてしまうんだよな。そこら辺は役者のネームでカバーということなのかもしれないけど。
薄