よしおスタンダード

アマデウス ディレクターズ・カットのよしおスタンダードのレビュー・感想・評価

5.0
No.2855

オリジナル版は何度も見ていますが、このディレクターズ・カットは初めて見ました。

まぁ、なんというか、映画って、凄いですね、としか言いようがない。。。

毎回、見るたびに、完膚なきまでに打ちのめされて、いい意味でくたくたになる。

寝るときになると、必ず、あのモーツァルトの笑い声が頭の中で反芻されるのよね。

この笑い声と、「ジョーカー」のホアキン・フェニックスの笑い声は、もう、声というより一種の「武器」と言っていいほどの破壊力がある。

私のような変態映画ファンは、圧倒的な演技とか、声とか、そういうものに徹底的に破壊されたい願望があるw。

こういうクオリティの映画なら、3時間といわず、何時間でも見ていたい。

映画史上、最狂の悪人って、実はこの映画のサリエリなのではないか。

よくまぁ、フィクションとはいえ、モーツァルトに対してあれだけの策略を思いつくものだ。

皇帝ヨーゼフ2世が「フィガロの結婚」の途中で思わず欠伸したのを、サリエリが気づいてびっくりして二度見するシーンめっちゃ好き。

敗北が勝利に変わった瞬間のなんと面白く、見事なこと。

モーツァルトって、皇帝があんな気さくな人じゃなかったら、マジで社会からとっくに抹殺されてるのではないか。

この皇帝があのマリー・アントワネットのお兄さんだというから、歴史というのは面白い。

オリジナル製作の1984年当時で45歳のF・マーレイ・エイブラハムと、

同じく当時まだ31歳だったトム・ハルス。

ハルスがエイブラハムと同じ主演男優賞候補になってしまったことは、悲劇としか言いようがないが、私の中では、トム・ハルスも立派なオスカー俳優です。

そして、改めて見ると、コンスタンツェ役のエリザベス・ベリッジ、めっちゃいいですね。

彼女が賞レースに全く引っかかってないのは、主役2人が強烈すぎるから仕方ないとはいえ、なんか納得いかないなぁ・・