アマデウス ディレクターズ・カットの作品情報・感想・評価

「アマデウス ディレクターズ・カット」に投稿された感想・評価

R

Rの感想・評価

5.0
久々の2回目。3時間がこんなあっという間に感じられる映画は他にナシ! 面白すぎる! アマデウスとは、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのこと! モーツァルトを殺したのは私だー!と錯乱した爺さんがわめいて、自分の首をかっ切り、あの有名すぎる交響曲第25番が高らかに鳴り響くオープニング! ここで既に全身全霊鳥肌が立つくらいの興奮! その後、精神病院に入れられたサリエリという名のその爺さんが、過去を回想する形でストーリーが展開していく。ウィーンの宮廷音楽家であり、音楽教授として皇帝に仕えていたサリエリは、ある日、モーツァルトという巷で神童と噂される人物に出会う機会を得る。一体どれほど立派な人物であろうかと期待していたのだが、衝撃的なことに、そいつはどこまでも下劣で、下品で、やんちゃで、ガキンチョで、女ったらしのろくでなし、その様子を見てサリエリは愕然とする。このクソから発せられる天上の調べと圧倒的な音楽的才能に嫉妬し、自分の凡庸さに絶望する。私がいままで敬虔に仕えてきた神は、その神性の表現の媒体として、私ではなく、なぜこのような無様な輩を選んだのか! 許せない! 神に復讐を! というわけで、モーツァルトの成功を密かに妨害しまくるサリエリ。けど、モーツァルトはノータリンやから、そのことに気づかず、ちょっとこの人、合わへんなぁ苦手やなぁ、って思ってるくらい。で、いろんな不如意な出来事とサリエリの陰謀を通して、モーツァルトは経済的にも精神的にも身を崩していく。そんなふたりの関係を、めくるめく豪華絢爛な映像と、全精神を幸福感で満たしてくれる壮麗な音楽で、めまぐるしく展開していく。時代背景的にもコスチューム的にも、古臭いゆったりした映画なんじゃねーの?と思わせておいて、ものすご反逆精神に満ちた、ハイテンポでロックなストーリーと言える。モーツァルトの存在自体がまさにワガママ放題で不遜なスーパースターのよう。オレの音楽は斬新で、時代遅れのジジイどもに理解できるわけがないと嘯き、何度も何度もウハハハハハハハハ!と下品極まりない笑いをブチまける。最高です。けど、どんどん世間に見はなされて落ちぶれていくモーツァルト。どんな風にストーリーが進んでいくか、終盤まではそこそこ予測がつくんやけど、ラスト直前のクライマックスはまさかの展開! こんなシビれる展開が待っていようとは!!! このシーンのサリエリの心の動きはマジ衝撃的!!! すさまじい衝動に涙が出そうになる。そして、サリエリと共に、ものすごい悔悟の念に襲われる。我々凡庸な人間は、自分の得意分野において自分をはるかに超越する天才に出会ったとき、彼を潰してしまいたいという気持ちが生まれてしまうことがしばしばあることだろう。自分の欠点は隠して聖者のように振舞い、その天才の欠点をちまちまあさっては大々的に取り上げて批判する。それってホント生産性がないよね、ってだけならいいけど、当事者たちを不幸に陥れ、世界にとって想像を絶する損失を引き起こしている可能性があるのだ。苦悩するアホな天才であるモーツァルトは、運良く現代でもその名を轟かせる存在になったが、実際完全に抹殺され埋もれてしまった天才が、この世の中にどれほど存在することであろうか。それを考えたとき、嫉妬する凡才が天才に対してとるべき行動が、最後に感動的に描かれているんだと感じた。深く深く胸に迫るシーンだ。逆に、いくら天才であってもこの体たらくだとうまく世界に受け入れられてもらえないよ、ってのも分かるし、けどそこ変えたら天才が鈍るんだろな、ってのも分かる。ほんといろいろバランスって難しいよな。2回見た2回ともディレクターズカット版を見たんやけど、公開版20分短いってことは、一体どれほどクレイジーなスピードで展開するのか。ちょっと見てみたい。

このレビューはネタバレを含みます

何度か鑑賞してもっと考えを深めたい。
なんと言っても翁サリエリの演技が素晴らしい。
そして当時の服飾を再現した美術。
もっと美しいものに触れたい。
何が美か、ではなく美を追求する心。真善美について考えていた。

「あれは彼ではない。神のあざけりだ。神が下劣な声で嘲笑っていた。神よ、笑うがいい。私の凡庸さを見世物にしろ。いつか笑ってやる。この世を去る前に、あんたを笑ってやるとも。」
あいこ

あいこの感想・評価

5.0
文句なし。あ、しいていうなら長い。けど長さはあまり感じない。
音楽を生み出す天才とその才能を見抜く天才。
前者は自分の才能を自覚し、後者は自覚しながらも前者の才能を求め続けて嫉妬に心を支配される。凡人などではないのに。
神様は不公平だという後者。でも、物語を見終わると公平なのかもしれないと思う。サリエリとモーツァルト役の2人の圧巻の演技。音楽と劇中劇の素晴らしさ。大好き。
「慈悲深い神などいない。苦しみの神だけだ」

人は苦しみの根本原因を知らない。そのわからないところに「神」を代入し、死後に救ってもらうことにしたのがキリスト教。人の営みそのものとした結果、そこから抜け出すには解脱して人の世を離れるしかないとしたのが仏教。
どうあっても人のままでは苦しみから逃れる方法はないらしい。
MasayanTK

MasayanTKの感想・評価

4.9

久しぶり再見。凡人の頂点に立つ作曲家サリエリが、いかにして超下劣な遊び人でも曲は傑作の天才モーツァルトを殺したか。「神の前で皆が平等ではない」という諦めの精神に共感。恐い父親の"亡霊"に取り憑かれ文字通り死ぬほど作曲したモーツァルトは哀れよな。
史実は別にして、サリエリは音楽に疎い父親の死をきっかけに都ウィーンに行けた上に宮廷作曲家にまでなれたのに対し、モーツァルトは恐くてウザい父親の死にずっと苛まれて過労衰弱・病死したから、二人とも父親の死が人生のターニングポイントになってるやん。なんという素敵な父の日映画!笑
なんかすごい映画。モーツァルトの才能に嫉妬したサリエリがいろいろやろうとするが、最後は一緒に曲作りのお手伝い。いろいろと興味深い。現代のアーティストや往年のスターでも、似たような光景がある。天才と言っても、晩年のモーツアルトは借金まみれで苦しい仕事をしていたことが描かれている。
この作品は、まず演技が凄すぎ。主役二人の異次元の演技に、皇帝の使いの連中の怪しげな表情も凄かった。モーツァルトの笑い方が凄く印象に残る。
これ、現代のビジネスでも通じることがある。目の前に明らかに仕事が出来る人間がポッと現れたら嫉妬するだろう。そんな時、自分の立場をどうするか。そんな考えさせる場面も多く面白い構成だと思った。

この作品で描かれている晩年のモーツァルト、なんか小室哲哉に似ているなと思ってしまった。。。
Ricola

Ricolaの感想・評価

3.9
サリエリからみたモーツァルトの人生。
モーツァルトは天才ではあっても異端児でもあった…。
小さい頃よく読んでいたモーツァルトの伝記漫画から得た彼の印象とはちょっと違った。


豪華絢爛な装飾や音楽の使い方は本当に素晴らしい。

また、サリエリのモーツァルトへの感情が思った以上に複雑な気がした。
歴史的根拠はなく多少脚色が加えられているとしても、造られたサリエリ像が真の姿であってほしいと思うほど、心に響く人間模様だった。
史実はともかく、物語として良い
天才と凡人、互いに焼き尽くし合う関係にある
ベオ

ベオの感想・評価

4.5
モーツァルトの天才的な音楽は凡人たちには理解されない、それを理解できる才能を持つサリエリ
終盤の共同作曲が最高だ
KENNYBOY

KENNYBOYの感想・評価

3.7
モーツァルトは高笑いする。天才と凡才。歴史に残る天才音楽家と、その最も近くにいた、限りなく天才に近い凡才音楽家。その憧憬と嫉妬を限りなく上手く描いた脚色回顧譚。
「あんたも同じだよ この世の凡庸なる者の一人 私はその頂上に立つ凡庸なる者の守り神だ」
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