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新源氏物語のIdeonのレビュー・感想・評価

新源氏物語(1961年製作の映画)
3.5
 帝と身分の低い母、桐壺との間に生まれた光源氏は、物心つく前に死に別れた母親の面影を追い求め、母親と瓜二つの義母、藤壺との禁断の恋に陥っていく…というお話。
 桐壺巻から須磨巻の直前までを約100分で映画化。市川雷蔵の源氏はしっかりハマっている。桐壺、藤壺は高嶋兄弟の母、寿美花代、彼女が1番輝いていた頃の作品だろう。大長編の半分を100分でまとめるわけだから、桐壺巻は10分、若紫巻にいたっては2分ほどで、サクサクと進む。若紫を見初めるやいなや、あっという間に馬に乗せ、尼君の制止をよそに去っていく。ほとんど拉致である。それでも、ちゃんと映画として成り立っているのは名匠森一生の力量によるのだろう。
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