三樹夫

ティックスの三樹夫のレビュー・感想・評価

ティックス(1993年製作の映画)
3.8
『エイリアン2』と『遊星からの物体X』を足してダニで割ったみたいな映画。麻薬栽培のための成長促進として使われていたステロイドをダニが浴びでソフトボール大に巨大化。しかもマリファナ汁も浴びたことで、噛まれても痛みを感じずさらに幻覚作用をもたらすダニシャブにもなっている。つまりは巨大にダニに襲われるサイケデリック昆虫パニックもの。監督は名作『ヘルレイザー2』の人で製作はブライアン・ユズナと、特定一部の層に突き刺さる要素をこれでもかと積み重ねた快作で、ダニが室内をトコトコトコと逃げ回るシーンは、あれこれ『遊星からの物体X』で観たことあるぞとなる。

やたら長いイマイチ釈然としないオープニングが終わり、メガネ君が親に森林キャンプの待ち合わせ場所に嫌々連れてこられる。メガネ君はどうやら過去にトラウマがあるらしくフラッシュバックが起きるが、訳の分かんねぇ奴に超絶理不尽なフリースローバトルを申し込まれる。訳の分かんねぇ奴は劇中で中々の悲惨な目に遭うが、その報いという伏線のシーンだったのだろうか。
引率の大人二人がメガネ君含む若者を数名を引き連れて森林キャンプ開始。しかし既に巨大ダニが森中にうようよ湧いており、早々と地獄の幕開けとなる。ダニに噛まれると体内に住み着くらしく、身体がダニの苗床にされるという、『エイリアン』で花開いたこういう類ので一番怖いやつをしっかり押さえてくる。ダニの卵もやたらベトベトで気持ち悪いし、ダニの移動もカサカサと気持ち悪いし、ダニに噛まれるとやたら血が出るしで、気持ち悪い方向に全力でハッタリをかます姿勢には脱帽するしかない。
最初のダニ犠牲者のおっさんがトラバサミにかかったシーンは爆笑した。おっさんのリアクションが面白過ぎたのもあるが、なんで映画で人がトラバサミにかかるシーンってあんなに面白いのだろう。
三樹夫

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