家族の崩壊を描くドラマだが、冒頭からそれをひしひしと感じるのはやはり監督のアン・リーの演出の賜物。
とはいえ哀しみの表現からすれば、もう少し役者の使いようを感じさせてほしい。
不倫や近親相姦などやばそうな関係が多くあるが、分かっていて進んでいくその脆さが人間の弱さということなのだろう。
それが決定的になるのがやってくるアイス・ストーム。
とにかく豪華な役者陣だが、大成する若手が多く出ている。
イライジャ・ウッドやトビー・マグワイアなどが実に瑞々しい。
それを考えるともっと深みのあるドラマが出来ただけに勿体ない作品。