くらちたかよし

ライオン・キングのくらちたかよしのレビュー・感想・評価

ライオン・キング(1994年製作の映画)
3.0
ディズニー研究の続き。美女と野獣、アラジンに続いてディズニー・ルネサンス期の作品。有名なのに見たことがなかったので見てみた。

子供向けだけにストーリーは単純で、黒幕もその後の展開も簡単に予想できてしまうが、苦難を超えて一度境地に辿り着いた後、更にそこからパラダイムシフトしていくという展開がいかにもディズニー作品らしくて面白い。アナと雪の女王はまさにこのパターン。生き方には正解はなく、「逆もまた真なり」で、人生のステージによっても役に立つ哲学は全く変わってくるという現実の複雑さを明快に表せる優れたテンプレートだと思う。

ジャングルを走ったり、のんきな動物に会ったりする場面は、「ジャングル・ブック」を彷彿とさせる。お笑い要素や戦闘シーンもしっかり散りばめてある。主人公はなりたいものが明確にあるわけではないので、”I want song”的なものはないが、主人公の成長の過程を描いているのは「リトル・マーメイド」からの流れを引き継いでいる。どこで聞いたかわからないが何となく知っている曲が多い。

少し気になるのは、食物連鎖のサイクルのバランスの重要性をテーマにしている割には、自然界ではあり得なさそうなことがちらほら見られるところ。ディズニーランドもそうだけど、ディズニー作品は子供の教育にいいのだか悪いのだか微妙なものが多い。(創造性を育む教育としてはよいけど、サイエンスの教育にはよくない。)