柏エシディシ

バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリストの柏エシディシのレビュー・感想・評価

3.0
デジタルリマスター版にて。
配信にもなく、なかなか観れなかった作品なので劇場公開は嬉しい。
ニコケイ/ヘルツォークのリメイク版が大好きなんですが、オリジナルのこちらも、イイ!(というより、まったく別の映画だ)
ドラッグ、恐喝、汚職、賭博、買春のフルコース。
無免許運転女子へのセクハラ自慰行為にはドン引きする。
そんな男の最後の最後に見せる決断と、そのあまりにも呵責ない終幕。
魂は救われたのだろうか。
彼をそこまで追い込んだものは何なのか、過去にどんな事があったのか、映画の中で一切語られない。
ストイックでハードな演出。
それでも抜群の説得力で、悪行の限りを尽くしながら不思議と引き込まれてしまう人物を怪演するハーヴェイ・カイテルがとにかく凄まじい。
マジで同情の余地はないのに、なんでこんなに憐れなんだ。
この男は映画を観ている私たちの映し鏡なのか。
柏エシディシ

柏エシディシ