バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリストの作品情報・感想・評価

「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト」に投稿された感想・評価

parkoldies

parkoldiesの感想・評価

3.9
同年製作の『レザボア・ドッグス』からユーモアを抜き去り、主人公を『ミーン・ストリート』のジョニー・ボーイにして、彼をこの上なく凶暴にしたような映画。救いがなく、どんどんど壺にハマっていく様はハーヴェイ・カイテルが主演した2作に似ている。
そこにカトリック的な救済が入り込む。観ている側としてはなんとも苦悩せざるを得ない。
 苦悩映画。語り口はかなり違えど、内容はスコセッシのミーンストリートに似ている。あっちでもハーヴェイカイテルは煩悩の塊でした。苦悩するにしても、もうちょっと他の登場人物と上手く絡んで欲しかったとも思う。ハーヴェイカイテルの苦悶顔が拝める作品です。
tagomago

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4.2
最悪である。映画の中でいろんな悪徳刑事を見てきたがやることなすことここまで最低なのは初めてに近い。私利私欲のために限界まで突っ走ってしまう刑事も珍しいのでは。なにか非常に小さく感じるのである。子供を送った後、すぐコカイン。そしてアルコール。さらに狡猾なギャンブル。ラリパッパでフラフラ磔ごっこ。性犯罪の強要。あらゆる悪行を尽くすLTにドン引きです。撮影がゲリラっぽくて生々しく緊迫感がある。強烈すぎて宗教との共鳴を咀嚼できない。神の許しを求めたあの男の最後が映っている。
過去鑑賞記録。
とにかくスゲー映画だった。
怖いもの観たさでまた観たい。

[追記]
ふと最近思ったこと。

この映画は、暴力の連鎖は「ゆるす」ということでしか断ち切れない、と言っているのでは。
そこに崇高さを見出すか、無念とみなすかは観るものに委ねられている。

のではないかと。
Melko

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3.5
なんとまあ……ハードボイルド一辺倒、ハーヴェイカイテル叔父貴百面相といったような。
作品全体に漂う湿っぽさ。
私のフィルマ900本目が、これか…!笑

フォローしてる方のおすすめで鑑賞。

警察官でありながら、野球賭博にドラッグ、愛人?とセックスにドラッグ、上着の内ポケットに酒瓶、脅しに恐喝、果ては屈辱のオ◯ニーレイプ。
まさにやりたい放題、「なんかよくわからんけど、とりあえず黙れ!」のノリで銃をぶっ放す。
「14の時から死線をくぐり抜けてきたんだ。俺は死なない。俺には神がついてる」
と完全に神を冒涜したかと思いきや、
「尼さんが1人強姦されたからってなんだってんだ?そこら中で毎日女が強姦されてるってのに。」と、なかなか鋭いことも言ってくる。
終始ラリって、酔って、フラフラ…

負け続き追い込まれる日々に、自分の価値観や正義感がガクッと揺らぐ出会いと一言。
「彼らは私を愛していないけど、私は彼らを愛さねば」
そんなこと、簡単にスッとできるもんじゃない。「本当は復讐したいだろ?」そうだ。
「あんたが赦したら、他に強姦された女たちはどうなる。そいつらの荷も背負えるのか?」そんなの、わからない。
でも、あなたが信じているキリスト教は、主の教えは、「やられたらやり返せ」ではないはず。まして、弱い者から奪ったり、騙したりすることではないはず。
やりたい放題、獣のように生きる中で、ずっと、心のどこかで引っかかっていたこと。それをえぐられ、目の前に突きつけられたら…もう、泣くしかないよね。。

推しのハーヴェイ叔父貴の、まさかの全面裸体(ボカシはなくて良かったのに…)、男泣き、ラリった顔、追い詰められた顔、虚勢を張る顔、壊れて笑う顔、いろーんな面を見られて、ホクホク。
特に魂込めた泣きの演技は震える。

最後の彼なりの「善行」も、私は有りだと思う。ああいう行動しか出来ない人もいて、何より、シスターは既に赦しているのだから。ラリった警官に銃突きつけられてビンタされ、死ぬかもしれない恐怖を味わったんだから、十分じゃない?
ってのは甘いのかな。

ただねー、やっぱり女性としては、車に乗ってるときに絶対声かけられたくない系クズカスゴミ級ハーヴェイさんもあって…しかもそのシーンがやたら長くて…ここだけはさすがに気持ち悪すぎた。なんかもう、獲物を逃がすまいとするそのあまりの必死さに、しかめ面通り越して半笑いで見てしまった…笑うしか出来なかった…
buccimane

buccimaneの感想・評価

4.5
5分もかけて脅してしゃぶるフリでいいからって言うの泣くとこでしょ完全に。
記憶してたよりも割と明るい画面で驚いたし特にカイテルさんちのパステルカラーな内装にはそりゃここが居場所じゃないわと思った。
ニコケイのリメイク版見たことないから見たい。
記録。
悪辣の限りを尽くす警官に芽生える贖罪意識。主は彼を赦し賜うたか。

とにかくハーヴェイ・カイテルのドロドロなクズ警官ぶりに唖然。
アルコールに溺れ、手慣れた手つきで白い粉を吸引。野球賭博に手を染め、正当な理由などどこにもないのに怒りに任せて銃をブッ放す。

権力を笠に、停車させた2人組の若い女に卑猥な格好をするようにしつこく強要してその目前でシ○ったり、酒とクスリでぶっ飛んで全裸になり、貼り付けにされたキリストの真似事をするシーンは強烈以外の何者でもない。

終盤にて、修道女の信心深さに触れ、突如現れたキリストの幻影にそれまでに働いた悪事の懺悔をし、赦しを請う警官。
心境の変化は察するが、その後の行為があんまり良くわからず。赦しを与えるのはお前じゃないだろ。職務を全うしろよと。

キリスト教に造詣の深い方ならより一層の味わいがあるのかもしれないが、残念ながらそこまでな僕には、上述のクズっぷりの衝撃以外にあまり受け取るものは見つけられず…

けど、こういう役が自然にハマるハーヴェイ・カイテルは言うまでもなく素晴らしい。それだけでも観る価値はある。
好きな監督と好きな役者で大好きな作品!たまたま入ったブックオフにて適価だったのでサルベージ。エルロイ直系のリアルノワール!野球中継での発砲シーンの台詞にもバッチリNワードを発しており(日本語字幕では訳されてない)生き抜く為にはゲス過ぎて懺悔をするには遅すぎる漢のサーガ。人はそれを猛者と言う。(言いません!)ラストはトランププラザの前で殺されます。呑む!打つ!バラすは出来ないので代わりにシコる!このガキに半笑いにされながらも続けるセクハラ問答、まさにトラコメ(喜悲劇)感すらある。過激がノワールと勘違いされてる今、再評価したい一本たがPC的にはアウトの連発なんで厳しいか?
DarcyAnam

DarcyAnamの感想・評価

3.8
ハーヴェイ・カイテルは眼が綺麗。
宗教や信仰以前にやって良いこと悪いことがある訳で、神がどうこうって問題じゃない。
俺は弱かった、で済まされるのか。
それにしても、思ってたほど主人公はヤバくなかった。そこそこって感じ。
でもあの妙な泣き方のインパクトは強すぎる。
野球賭博、麻薬などでボロボロのどん底まで堕ちいく刑事をハーヴェイ・カイテルが熱演
少女に舌使い見ながらマスかいてる所が中々気味の悪さが表現されてて良かった
どうしようも無くなって最後にキリストの幻影を見て助けを懇願するのも見所
オチは少しアメリカンニューシネマ感がある
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