B姐さん

三人の妻への手紙のB姐さんのレビュー・感想・評価

三人の妻への手紙(1949年製作の映画)
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登場人物の「不在」ということがマクガフィンとなって物語が進む映画の傑作。

三人の妻たちのスリー・ショットからの電話ボックスとの切り返し、回想前のつなぎのサウンド・トラックとか(すごく前衛的)、とにかくいちいちかっこいい。
こんなにうまい作家と思ってなかったので(ほんと失礼&わたしが無知で馬鹿)、『イヴの総て』を観直したくなる。セルマ・リッターも相変わらず面白い。このひとを見ているとなぜか杉村春子を思い出す。

『アニー・ホール』でのジェット・コースター真下の家とか、『ブルース・ブラザース』の窓外すぐに電車が走るシカゴのアパートとか、そういう映画は多々あるが、とにかく「家が揺れる」映画の傑作でもある。
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