市川雷蔵映画デビュー六作目にして、初の股旅もの。
やくざと旗本の次男坊というふたつの顔を持つ主人公を描いた作品。
喧嘩の強い礼三は、七五郎一家で過ごし、七五郎のひとり娘のお静と恋仲であった。
しかし旗本の息子である礼三は、いずれ家に戻らなくてはいけない。
ましてや、やくざの娘と深い関係になるのは難しい。
そして、礼三は七五郎一家を離れて、実家へ帰るのだが、それから三年経った七五郎一家は、敵対するやくざに追い込まれていた…
やはり雷蔵の立ち回りが最高にカタルシスを感じる。
嵯峨三智子とのシーンは、全てが美しく感じる。
宿の二階から会話しているところは、とても印象的な絵だった。