星降る夜にあの場所で

悪霊の星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

悪霊(1987年製作の映画)
4.6
崇敬するIホール初代総支配人様⑳

初見当時、作品鑑賞後、原作小説も読んでみた。

正直ドフトエスキーの思考回路を完全に把握することは不可能なのだけど、このレビューを書くにあたってせめて解釈できた範囲以内でで身近な何かになぞらえることは出来ないかと考えてみたとき、最初に想起したのがバブル崩壊間際の社会状況だったのですが、
いや、待てよ。
かみ砕いて広義にとらえれば、普段の日常もまんま当てはまるのではないかと。
学校でも職場でもママ友の関係でも何でもいい。
掘り下げていけば哲学的な範疇にまで及んでしまうこの傑作も
、読者は我々一般人が殆どなわけで当然筆者も伝えたいという思いがあるから小説にするわけですから。

時として湧き上がる欲求は悪霊を生み出すことがあります。
例えばそれは革命の大義でもなく、子育てでもない。
単なる破壊的行為であり、児童虐待でしかない。
本作品のラストで悪霊を取り除いたのは神であるといった聖書の一節が読み上げられるが、
私たちにも神の手を借りるまでもなく取り払うことが出来る悪霊も存在する。