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遊☆戯☆王の映画狂人のレビュー・感想・評価

遊☆戯☆王(1999年製作の映画)
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遊戯王の映画化作品は全部で4作品、本作は世間でよく知られているテレ東版ではなくその前に製作されたテレ朝の東映版。
当然声優も違くて、今や闇遊戯の声と言えば風間俊介のイメージだけど東映版は緒方恵美、海馬社長は緑川光が務めている。
遊戯王カードに関しては1999年の発売開始当時からリアルタイムで触れてきたので殊更思い入れが強く、デュエルモンスターズとして爆発的にヒットする前のバンダイ版も持っていた。
本作は東映アニメフェアで『デジモン』や『ドクタースランプ』と同時上映されたんだけど、当時映画館に観に行って三体連結のブルーアイズ(バンダイ版)を特典として貰った覚えがある。
下敷きも買ってもらったし、ゲームボーイでソフトが発売される度に夢中になって一日中プレイした。
遊戯王は『ポケモン』『デジモン』『たまごっち』『ベイブレード』『ビーダマン』『ミニ四駆』『ハイパーヨーヨー』等と並んで世代ど真ん中なので思い入れが強すぎて、映画としての感想よりも先に思い出が走馬灯の様に脳裏を駆け巡る。
近所のカードショップに友達数人で集まり店の外の地べたに座ってデュエルしたのは一生の思い出、カタログに入れて保管するほどレアカードも持っていたのに引っ越しの際に全部捨ててしまった事が悔やんでも悔やみ切れない。
エクゾディアにブルーアイズにブラックマジシャンにサンダーボルトにブラックホールに心変わりにミラーフォース…遊戯王と共に歩んできた人生と言っても過言ではない。
因みにジャンプで1番稼いだ漫画はドラゴンボールでもONE PIECEでも鬼滅の刃でもなくダントツで遊戯王、それほど遊戯王カードの売り上げは世界規模になっており世界で最も売れたトレーディングカードゲームとしてギネス記録にも認定されている。
多種多様なモンスターや登場人物達のアメコミっぽいデザインが実に魅力的で、海外での根強い人気の高さも頷ける。
主人公の武藤遊戯には別人格「闇遊戯」が存在するんだけど「もう一人の僕」という概念は多少の設定の違いこそあれど少年漫画の定番で、『ジョジョ』『ヒカルの碁』『デスノート』なんかもそうだし、考えてみたら『名探偵コナン』やアメコミの『バットマン』や『スパイダーマン』なんかもそう。
「弱い自分を助けてくれるもう一人の自分」という概念は少年達にとっての永遠のテーマなのだ。
でもまさか、20年以上経っても未だに遊戯王で遊んでる(スマホアプリのデュエルリンクス)なんて思わなかったな。
実年齢はどんどん年老いていくけれど
「もう一人の僕」は永遠に10歳位のまま心の中に在り続ける。
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