歯医者のお姉さん

リプリーの歯医者のお姉さんのレビュー・感想・評価

リプリー(1999年製作の映画)
4.0
金と引き換えに失ったものーー 太陽とセットで父のおすすめ。羨みが高じて緻密な成り代わり殺人しちゃうサイコ映画かと思ったら、取り返しがつかなくなったゲイのお話でした。

配役が絶妙で、ジュードロウは愛すべき女たらし(男たらし?笑)のイメージそのままだし、絶対的名優だけれど二枚目ではないマットデイモン優勝。マットデイモン以外に演じさせていたら…下手したら主人公に嫌悪感を抱いてしまうだろうし、ここまで感情移入もできなかっただろうな。この絶妙に嫌いになれない感じ、むしろ心のどこかで応援してしまうような感じは迫害愁ある(失礼)マットデイモンならでは。

キャラクターが頭脳派ではないところがいい。なんとも軽薄な計画が、案の定問題を引き起こし、そしてラストはーー ヒヤヒヤ展開てんこ盛り、まさか!oh…やめて!oops…の連続で、不穏な予感的中率100%という、いい意味で嫌な作品(笑)。

見終わってから父の解説で太陽がいっぱいの元になった同じ小説から製作されたと知りました。元の小説を読んだことが無いので詳しくは分かりませんが、似ているけれどリメイクとは気づかなかったし、これはこれで独立した別物として面白かったので、いつかまた観たい。