リプリーは貧しくも音楽を愛し、才能もそれなりにあるのに、最高峰の音楽は結局金持ちのものだ。いいものはすべて取られていく。すこし味見するだけのつもりだったはずが、いつしか「いいもの」の沼から抜け出せなくなっていき…。
地中海の景色が美しすぎてそれだけでも見る価値ありな映画。そんな美しい国で凄惨な殺人が起きるというギャップもまたいい。
ラスト、ここで終わり!?となるのだが、たぶんこの後さすがに捕まるんだろうな…。ラストシーンは、リプリーにとっては自分の中のディッキーとの別れでもあったのかもなと思う。
好意、あこがれ、憎しみ、この人になってしまいたいという思い。複雑に絡み合う感情に翻弄された。