周囲とのトラブルでヤク漬けになるミュージシャンの話は結構多いようだが、本作もその一つ。主演のホアキン・フェニックスのハマり具合が絶妙な映画。
反骨のカントリー歌手・ジョニー・キャッシュの苦渋に満ちた半生を描いた伝記映画で、ジェームズ・マンゴールド監督らしい丁寧なストーリーテリングで全く飽きずに観られる秀作となった。
ホアキン・フェニックスが心を病んだダメ男(根は良い奴なのだが…)を好演していて『ジョーカー』以上に哀愁がある。流石の貫禄。
リース・ヴィザスプーンも気丈な奥さんを演じ切っており素晴らしかった。何やってもダメな旦那と子供たちを必死で育てるマザーを体現。この二人の絆に素直に涙した。
少年期のトラウマから脱却出来ず、生き地獄を味わうミュージシャンを描いた『Ray/レイ』と設定が酷似しているが、映画的な洗練度ではこちらの方が上だと思う。
『ドリーム・ガールズ』に『ボヘミアン・ラプソディ』に『エルヴィス』と、米国のミュージシャン巡業モノには秀作が多い。🤔