みおこし

終着駅のみおこしのレビュー・感想・評価

終着駅(1953年製作の映画)
3.4
ハリウッドの辣腕プロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックがイタリアの巨匠ヴィットリオ・デ・シーカを招いて制作されたメロドラマ。主演はジェニファー・ジョーンズとモンゴメリー・クリフト。

夫と子供がいるメアリーは、単身渡ったローマで出会った教師のジョヴァンニと恋に落ちる。しかし、やはり残るわけにも行かずローマ・テルミニ駅で旅立とうとするメアリーを必死の思いで引き留めるジョヴァンニだったが…。

とにかくジョヴァンニ役のモンゴメリー・クリフトが素敵…!あんなに端正な顔立ちで、しかも自分のことを熱心に思ってくれる存在ができたら、メアリーが迷ってしまうのも分からなくもないなと…。イタリア人とアメリカ人のハーフという設定なので、ちょっとした仕草に私達がイメージする情熱的なイタリア人の要素が垣間見えるのもまたツボでした(笑)。この当時としては画期的な、リアリティ溢れる演技力が魅力だった俳優さんというのもあって、メアリーを思う気持ちがひしひしと伝わってきました。
ただ、肝心のメアリーのことはあまり共感ができず…。いつまでも煮え切らない態度が続くし、ずるずる居残ったせいでジョヴァンニまでも巻き込むトラブルに見舞われたり…。最後までどうしても共感ができないキャラクターでした。2人が居座る場所も毎回なんとも微妙なロケーションばかりなので(笑)なかなか落ち着かずそれも気になり続けました。

とはいえ、ローマのテルミニ駅のあの雑踏は、ハリウッド映画とは一線を画した異国情緒あふれる雰囲気に満ちていて、確かにデ・シーカ監督らしい独特の世界観。終盤はやっぱり切ない展開で、ラストのクリフトの表情に胸が締め付けられました…。

ちなみに『ウエスト・サイド物語』のトニー役のリチャード・ベイマーが出ていたそうなのですが、最後まで気づきませんでした...!
みおこし

みおこし