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蟹工船の7のネタバレレビュー・内容・結末

蟹工船(2009年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

授業課題のため視聴。
初めのあたりで労働者たちが死んだらどこの家に生まれ変わりたいかを無邪気に話し合い、「自分の最後くらい自分で決めたいじゃねえか」と首吊り集団自殺を図るシーンにやるせなさを感じた。
この作品では監督というわかりやすい悪者がいて、この人を憎む心でいっぱいになるが、現代社会のいわゆるブラック企業では「自分も辛いんだからあなたも頑張ってよ」という圧力がかかっていて、労働者が声をあげづらくなっていると思った。

  また、労働中に見回りにくる監視役も監督も怒鳴り声と暴力で労働者に恐怖を植え付け萎縮させていて、非常に「感情的」だなと思った。一方で労働者は感情を押し殺しわきまえさせられている。
劇中、労働者の若い男が、タコ部屋で弱音を吐く大人たちに、なぜ大人は監督に文句を言わないんだ、自分より弱い奴にしか言えない、だから自分たち子供も苦しんでいるんだ、と激怒していた。
このシーンから、怒ることを、権力者の特権だと思い込んでいた自分に気づきいた。親から子、上司から部下、客と店員など、強いものから弱いものに向けられていますが、本来は本人が不当だと感じたら相手の立場がどうであろうと、それを主張する権利はあるはず。ですがそれを抑えることが美徳とされている風潮があるなと感じる。強いものにとってそのほうが都合が良いからだろうが、変えていきたい。
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