昼行灯

わが青春に悔なしの昼行灯のレビュー・感想・評価

わが青春に悔なし(1946年製作の映画)
3.7
原節子こんなに美しかったか。今まで原節子の眉毛がもったいないと感じていたが、眉を30年代風にしただけでガチで好感持てたから眉毛大事。お嬢様→職業婦人→百姓とコスチュームや役柄もどんどん変わるが、原節子の表情自体もコロコロ変わる。誰かが喋るたんびに怒ったり沈んだり笑ったり忙しい人。それが顔の大写しで撮られているから効果的だし、原節子の美しさにハッとする。田植えする手元とピアノを弾く手元のディゾルブだったり、野毛としばらく会えないことを知った時の異なるポーズの連続カットだったり、彼女の変化する過程が技巧的に撮られている。こうした彼女の様子は見ていて不安定すぎかとも思うのだけど、敗戦直後の日本人なら多かれ少なかれ自分の身の上を重ねることができたのかも。

ストーリー的にはやっぱりGHQ色がすごい🙂‍↕️終盤やや唐突に亡き夫の父母と一緒に暮らして農業に精を出してるけど農地改革すぎてさすがにワロタ😂村の人からの誹謗中傷を恐れず昼間に外に出ることに決めた原節子の一身に歩くショットとそれを見つめる農民たちの視線のショット群の対比がよかった。共産主義なストーリーは東宝争議とも関連があったのかもしれない。というか東宝はGHQからの指導入ってるから当たり前か。これみて滝川事件のWikipediaを読みましたが、滝川事件への抗議として当時の京大法学部教授が全員辞表を提出していてスゲーとなった。
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