わが青春に悔なしの作品情報・感想・評価

「わが青春に悔なし」に投稿された感想・評価

すごーく昔の、すごーく真面目な映画。黒沢監督の真面目な一面が全面に出ている作品。なかなか今じゃないよなー、こんな映画。原節子という女優にも魂を感じました。
「顧みて悔いのない生活」いい言葉じゃアーリませんか?
節子様がいっぱい。瞳を輝かせながら土下座を懇願したり、次の瞬間真顔になって見下したり、感情の昂りのままにピアノをお弾きになったり、徐に花の頭を毟り水に3つ浮かべてみたり、あなたの秘密が欲しいと躙り寄ったり、急に大粒の涙をお流しになったり。。情緒不安定が過ぎる七色の表情に魅せられる。清廉と狂気が艶かしく混濁した圧倒的な存在感は、拝みたくなるほど神々しい。帽子を被せられた屈託のない笑顔は一級品。

GHQ推奨の影響か何処か一貫性がなく長く感じるのが残念だけど、さすが黒澤明と感じる画面構成や演出も随所に見られる。ドアの前で思い悩む4変化ポーズは斬新。農作業のシーンは異様なほど鬼気迫る。パリと見紛うようなビルの窓越しの風景と、部屋から雲を眺める2人、川の水に浸した手が美しかった。
冒頭は自然が映えて美しかったなと思いながらも中盤まであまり目を惹くシーンが無くて拍子抜けしたけれど、農村を舞台にした後半からは文字通り泥臭いシーンが続いて、後の作品に通じる熱情が感じられてこれぞ黒澤の真骨頂と唸った。

特に原節子のピアノを弾く手と水に浸す手がオーバーラップするシーンは少しだったけど実に鮮烈で、他では見られないギラギラ原節子の容貌と合わせとても印象的で素晴らしかった。

しかし改めて見るとこの頃から黒澤映画には雨や水が印象に残るシーンが多いことに気づかされるが、やはりタルコフスキーはこういうところから影響を受けたのだろうか。
Taul

Taulの感想・評価

3.0
『わが青春に悔なし』(1946)原節子が汚れ役に挑戦。戦後逞しく生きていく女性を堂々と演じる。黒澤明の珍しい女性映画だがやはり女性が感情的か男性的。原の骨太さがむき出しにされる(白痴では迫力が増す)。映画は戦後プロパガンダや組合の影響で変なつくりになったが力強い後半は見応えあり。
苔

苔の感想・評価

3.0
戦後1年に公開された黒澤映画。
GHQお墨付きのプロパガンダと聞き、なるほどと思った。どうも一貫性がない。
奨励されたとはいえ、それは事実上監視にすぎない。戦時中まで検閲した当局とは全く反対側からの検閲。立場が右であれ左であれ、検閲されたものというのは面白くはない。
しかしながら、原節子の力強い演技には魅了された。後半の幸枝が田舎へ出る場面では七人の侍と同様、百姓社会の怖さがすごく伝わってくる。
おもしれー!ひえー!おもしれー!と何度唸ったことか。原節子。小津映画とは違いなんと!なんと!表情豊かに、ギラギラとよろめいてみせることか。
激しくもあり、切なくもあり。
く、黒澤、ラブストーリーやれてんじゃん!
という感動。バレンタインデーみたいな甘ったるい日にこういうビターなものを観ろよ。若者!
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

2.5
「わが青春に悔いなし」
本作は憎っくきGHQが強く勧めた民主主義映画の一つで反戦色が凄じく感じる昭和21年に原節子主演に迎えキネマ旬報ベスト2位に輝いた黒澤に珍しい女性主演の青春映画で今でこそ女尊男卑と言われつつある世の中だが本作の自立した女性の清々しい姿は現代にも通用すると感じた作品
yuma

yumaの感想・評価

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情緒不安定な原節子度100%
顔の力、すごい!!!
そして安定のおじぎの柔らかさ🚼
鼻につくしゃべり方がクセになる、、、
原節子さんの凄み。エレガントな美しさばかりが注目される彼女のあらゆる魅力が堪能できる作品だった。
R

Rの感想・評価

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少なからず政治の絡んだ背景を持つ映画なので点数をつけるのは難しい。

ただ、原節子の演技には小津安二郎作品のそれの時よりもエネルギーを感じたし、
これを見れば
日本が立て直しを図る上で、映画そのものが歯車の重要な一部を担っていたということも分かる。

そして何よりタイトルがいい。
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