わが青春に悔なしの作品情報・感想・評価

「わが青春に悔なし」に投稿された感想・評価

smk

smkの感想・評価

3.7
黒澤作品はこれが、2本目だった。
原節子の美しさと気持ち悪さ、
それは白黒で音声が聞き取りにくいとかイントネーションが慣れないから?
仕草や感情表現が現代と少し違うから?
その時代を生きた人にしか魅力は分からないのかもしれない。

自分と同い年くらいの幸枝はんの台詞は
やたらグサグサ刺してくる。
自由の裏に有るもの、
自分がいまここにある背景、
命をかけることができる仕事とは、
省みて悔いのない生活とは、
問いかけに耳が痛い。

戦後、GHQが民主化推進のために民主的風潮を助長する映画製作を奨励した背景があるらしい。
難しいなぁ。
天皇クロサワが原節子を統御しきれておらず語りを度外視したアップや繋ぎが多くあり、それが逆に面白さを生んでいる。
野毛がオフィスで自分が人に言えない仕事をしてることを匂わせてるシーンで、野毛がそんな人間がいるかもしれないみたいな話をしてる時の、野毛の影だけ写ってるシーンの示唆的な様子だとか、何より農耕パートのクロースアップの力強さやレール撮影のシーンの農民たちの奇異な目線とかが怖い。

あと冒頭の川がメッチャ綺麗なんだよなあ。
kyon

kyonの感想・評価

3.5
原節子の能動的で明朗なキャラクターを体現していたといわれる黒澤作品。

冒頭の約15分間の”青春”の姿に当時の若い観客はとても惹きつけられていたみたいで、戦中を経験した世代には希望のような作品だったらしい。

原節子演じる主人公の女性が比較的裕福な家庭で育ったことから、自分とは対照的な学生運動に従事する野毛に惹かれ、やがて彼を追いかけて京都から東京へ。さらに結婚できたものの野毛を失い、彼の実家の稼業を手伝っていく。

一応三角関係で、野毛と温厚だけど気の弱い糸川との間で揺れるかと思えば、糸川全然変わらない!笑

色々突っ込みがある作品だけど、原節子のクローズ・アップには見入っちゃう。

都会のスーツに身を包む原節子が農作業着になっていく姿に逞しさを感じるとともに哀しさも感じてしまう。

原節子の特徴はやっぱり洋服が似合う体格の良さだなぁと。
若干ガルボとか思い出した。
完全に、ゆりやんレトリィバーの「昔の女優さんのモノマネ」だった
rain

rainの感想・評価

3.3
今と変わらない京大と大隈講堂の姿
この転向のすばやさよ
なんやこの寄生虫のような女は
ここにも戦争の暗い影が・・・
こうも時代や歴史は、人々の人生を狂わせ、歪めてしまうものなのか?
それが前途洋々たる若者たちであればあるほど・・・
巨匠黒澤監督の描く“ピクニック”が、どれほど平和であり、またこんなにも尊いものかを感じずにはいられません
んー若い原節子が時折みせる虚無っぽい顔は良かったんだけど、それ以外はなんか、悪い意味で淡々としている気がしてあまり合わなかった。
misato

misatoの感想・評価

3.7
戦後直後に公開されたGHQ監視下のプロパガンダ作品です。西洋的映画テクニックが意外と多く使われているなあと思った。あまりに主人公のゆきえが世間離れしたたくましさで、同じ女性としては拍手したい気持ちになりました。笑 日本の歴史や当時の検閲などを知るという意味で価値のある作品かなと思います。
黒澤明監督が戦後に戦中を描いた作品
GHQの監視下で民主主義奨励っぽくなっている。いわゆるプロパガンダっぽい感じです。

昔から黒澤明は「女を描くのが苦手」とあります。今作では原節子演じる幸枝が野毛との結婚を決断したり、取り調べを受けたりするシーンは自分の考えをしっかりと持っている女性を演じています。また、後半では泥にまみれて農作業している様子も力強さを感じます。

当時の社会背景から仕方ないと思わされてしまいますが、どこかに黒澤明監督らしさを観ることが出来ますね。
と言うか、タイトルがクサい(笑)
>|