ロバート・レッドフォードが監督だったんだ!
現代目線で観ると、事故で家族を亡くしそこから崩壊が始まるというよくある家族テーマの映画に過ぎないと思ったけど、考えてみれば1980年の映画
20年代以降、戦争や公民権運動を経て変化を繰り返してきた国
70年代はベトナム戦争での敗北も経験し、国全体は疲弊し、80年代になったとき改めて家族とは何か考えてみようといった時期のストーリーだったんだろう
タイトルの「ordinary people」が象徴するように、普通の家族とは一体どうあるべきなのか
時代によってその在り方は違うと思うけども、40年たった今でも国が変わっても、問いたいことは共通してるのか
兄の死という1つの問題が投げ込まれたとき、家族全体がどうするのかではなく、夫婦間、父子間、母子間という細分化されたスコープでそれぞれの関係性を暴いていく
いくら家族でも本当の正体はわからない
息子にとって結局父は全能じゃなかったし、夫婦間の愛や子供への愛情は懐疑的だった
今まで気づかなかっただけで、家族は装っても家族なのだということ
主人公がそうだったように自分の心の傷を和らげてくれるのは常に家族とは限らない
けれど自分が初めて自分自身に問いかけた時、その家族の在り方は動き始めるんだと
こういう映画たまに観るけど、哲学者になっちゃう