観終わったあと、映画は人生を豊かにするものだと思い、なんとも言えない充足感のある気持ちになりました。
映画を通してたくさんの登場人物たちの、たった数時間で紡がれるいくつもの人生に触れると、彼らがどんな思いで話し感情を見せているのか、完璧には分からないなりに何か感じ取れることがあります。
優しさを持つ人間に対しても、心の底から悪のような人間に対してもです。
そういう感情の切れ端を途切れ途切れに感じていると、自分の人生や他人に対する行いを顧みたり、自分以外の人間のことを考えてしまう。
なぜなのかわかりませんが、この映画にはそういう風に考えさせるエネルギーがありました。
話が面白いとか登場人物が魅力的とか、そういう部分ももちろんあるのですが、そういうこととは違う次元で、映画として何か深く感じ入るものがありました。
3時間もあるせいで観たいけど踏み出せずに長いこと寝かせていたのですが、今は観てよかったなあとしみじみ思っています。
