青野姦太郎

ショック集団の青野姦太郎のレビュー・感想・評価

ショック集団(1963年製作の映画)
4.7
傑作。精神病に文字通り深く没入していく映画であるにもかかわらず、最も暴力的な衝動が刻まれる瞬間の画面に存在しているのが病理の根幹などではまったくなく、そこから最も遠い場所にあるはずの健康的な肉体と理性的な判断であるという事実に打ちのめされる。別に大した映画ではないが、ベルトルッチの『ドリーマーズ』で若者たちがシネマテーク・フランセーズにてタバコを吹かしながら呆然と見上げていたスクリーンに本作が映っていたことは、この作品がヌーベルバーグとそのフォロワーに対して絶大な衝撃を与えたことを端的に示してもいるだろう。とはいえ、増村の『偽大学生』は本作に先駆けること3年である。