あすか

サルバドールの朝のあすかのレビュー・感想・評価

サルバドールの朝(2006年製作の映画)
3.7
最初から最後まで静かで重い感じの映画かと思ったら、意外と前半は銃撃戦が多かった。私にとっては感動の涙より恐ろしさのほうが大きかった。
主人公のサルバドールはスペインの反政府活動のために必要な資金を得るため、仲間と共に銀行を襲う。追ってきた警官の一人を射殺し、死刑となってしまったサルバドールの話。
主人公のサルバ本人も勿論、最後までサルバを支え続け、死刑から救おうとした彼の妹や弁護士、また、刑務所で親しくなった看守達の心情描写も丁寧だった。サルバの死刑が執行されようとしていた時、学校にいた一番下の妹が走って刑務所まで行く場面の描き方が良かったと思う。涙が出てきた。鉄環絞首刑、残酷で恐ろしいものです。この装置を見てゾッとした。
この映画は「HUNGER」のようにドキュメンタリーらしく淡々と描かれていた。このサルバドールの話もまた実際に起きた出来事なのです。このような事件が、1970年代というそんなに遠くない時代に本当に起きたのかと思うとやっぱり怖くなってくる。
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