アトミ

砂の上の植物群のアトミのネタバレレビュー・内容・結末

砂の上の植物群(1964年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

92点

(カラー)
大小不揃いの四角形の絵画(パウル・クレー)。半透明の暖かい色彩と整然と並んだ四角形とが奇妙な調和を生み出し、空気の中にたたずんでいるかのような安定感に満ちている。
が、そこに強烈な原色の赤を投げ込んだとしたら、この画はどんな混乱を示すか?
いや、この画ではなくそれを観る者のイメージの断片がどんな方向に進むのだろうか?
と、赤の四角形が画に次々飛び込んでくる。

(スタッフロール)
ボルの上空の雲々
燃える風
まだその場所にいる黒
雪の前
雙生の場所
道を迷っている二人と共に

と、絵画が映し出される


(モノクロ)
夕方。
港のそばに水に沿って細長い形に拡がった公園。
伊木一郎(37歳。化粧品のセールスマン)がベンチに座り、推理小説の序章を練っていた。
その序章は彼にとっては23年前に死んだ父親(34歳没)との関係に深く関わっていた。


理髪店
理髪店のオヤジ曰く、好き勝手、豪快な父親だったらしい。
一郎は妻のエミコ(当時17歳。父親の画のモデルだった)と父親(当時34歳。一郎は当時14歳)とが肉体関係を持ってたのでは?とオヤジに尋ねる。オヤジは「彼の事だからないとは言いきれないかな?」と返答。
と、今の自分より父親が「若い」と改めて気づいた一郎は「そうか。色々やってたわけだな」と逆に笑ってしまう。
サッパリした一郎を見てオヤジは「父親と瓜二つだな」と笑う。
一郎は鏡に映る自分の顔をじっと睨み「23年も経つのにアンタまだウロウロしてるのかよ?」とボソリ。


夜。
横浜マリンタワー。
可愛いエレベーターガールの口元。
展望台のカップルの彼女の口元。
一郎はじっとりと観察。
帰ろうとすると、1人の可愛い女子高生とドアでバッタリ。
その彼女の口紅。パウル・クレーの画に投げ込まれた「強烈原色赤」と重なる(カラー)。

(モノクロ)
一郎はその口紅に「感心する男はいない」とイチャモン。女子高生は「余計なお世話だ!」とブチ切れてプイ。
真っ赤な口紅をつけ展望台から街を見下ろすのが習慣な女子高生。「真っ赤な口紅がついてる」と思いながらずっと見下ろす。自分のためにつけた口紅だから毒々しく塗る。意味なんてないのだと話す。

女子高生(3年生)は一郎に「飲みに行こう」と誘う。
可愛い女子高生に興味がある一郎。「仕方ない」的「飲み」を承諾するが「口紅を落とすこと」を条件に出す。
が、「飲みに行く」ならマストだと突っぱねる女子高生。

BAR。
女子高生は一郎の持ってるカバンの中に口紅がたくさん入ってると知り「注意する癖に売ってんだ?」と大ウケ。

ホテル。
一郎は女子高生の体を舐め回すように見て「キレイだ」とポロリ。
唇を摘み、体を重ねる。
女子高生は「怖い。怖い」と怯える。ヤリまくってる感じを出してたが彼女は処女だった。

(カラー)
日の丸的にシーツの血。
「雪の前」の画に「赤」が滲んで行く。

(モノクロ)
一郎がカメラ目線で睨み。

ウロウロしてハアハア言ってるセントバーナード(一郎のカメラ目線の先?)。
と、「細くてセクシーな足」を見つけて後をつける。セントバーナードの荒い呼吸と一郎の鼻息とがリンクしてる感じ。
一郎に気づいた女性は振り返り「何よ?」とキレる。一郎は顔を見て「人違いでした」と言い訳しスタコラサッサ。


イムラからTELがありコグレ(幼なじみ)の事故死を知る。

通夜。
女性の足に見とれる一郎。
その女性はコグレの妹ヤスコだった(15年振り)。
一昨年主人を亡くしてからぽっちゃりしたらしい。「女は変わるもんだ」と昔惚れてた一郎ら幼なじみ3人組は感想を持つ(スレンダーな頃がムラムラ)。


エミコに起こされるハッとする一郎。
父親との関係を質問するが「あるわけない」と軽くあしらわれる。
警官が訪問。一郎は一瞬「雪の前」の血染め(カラー)が頭をよぎる。
が、強姦未遂で留置されたイムラ・セイイチ(幼なじみ3人組の1人。メガネ)が身元引受け人に一郎を選んだからとの事だった。

食堂。
イムラに昨日はコグレの命日だったと聞き、だから昨夜夢に見たのかと納得する一郎。
会社の飲み会からの帰り電車の中でイムラは通夜の事から15年前のスレンダーヤスコのことを思い出して大学生の気持ちになってしまい、隣にいた女性に痴漢した(大学の頃は常習。青春の一部。童貞ゆえの女性への変態的憧れ)ようだ。
一郎は内気なイムラが?と驚くが「内気だからだよ」と答えるイムラ。
そして下車してから痴漢に抵抗しなかった女性(不思議と女性は抵抗しないで痴漢を受け入れるという経験則を持つイムラ)の後をつける。が、「強姦されかかった!」と交番に逃げ込まれてしまい強姦未遂で逮捕。
翌朝「つけられたから恐怖で幻覚を見たかも」と女性から申し出があり釈放になったという経緯。
「ひでぇ女だ」と感想を漏らす一郎。が、イムラは「女が正しい。現実世界(下車後の世界)に憧れ(電車内。痴漢を受け入れてるのは女にも男への憧れがあり、求め合って「行為」が成り立っているからセーフだと自論)を持ち込んだオレが悪い」と説明。

自宅。
テーブルに置いてある「花の種袋」を見て懐かしむエミコは種袋の字が読みにくいから老眼かしら?とボソリ。
一郎はニヤリとし「鼻メガネがいいな」と答え、種袋の説明文を読む。
サルビアの花言葉「私の心は燃えている」を読んだ時にハッとする。

一郎は庭に種を巻く(土の上ではく砂地の場所)へ。
エミコに指摘され「巻いてるんじゃない」と返答。
と、突然思い出したかのように「お前は親父と関係あったんだろ?」と質問。
エミコは「ご飯できてますよ」と呆れて行ってしまう。


横浜マリンタワー。
女子高生は一郎に話があるからと毎日待ってたようだ。
が、「やっぱり帰る」と泣き出す。
困惑する一郎だったが女子高生を見て「それにしてもキレイなまつ毛だなぁ」とボソリ。
2人は抱き合う。

ホテル。
事後。
女子高生は一郎に「名前が聞きたい」と話し、自分は「津上アキコ」だと名乗った。
アキコが早く処女を捨てたかった理由は「姉」にあるらしく、一郎に「姉を誘惑してめちゃくちゃにしてやって欲しい」と頼む。

ということで
一郎はアキコの姉キョウコ(京子)が働くスナックバー(ママ。酒場鉄の槌)へ生き、キョウコを口説く。

アキコは「純潔を守れ」と口酸っぱい親代わりキョウコの言いつけを守っていたが、昼間から男とホテルへ入って行くのを「1度」見てしまい、相当憎んでいるようだ。
一郎はその「1度」は「彼氏」の可能性があるし、仮にヤリマンだったとしても自分が出る意味がないと説明。
それでもアキコは復習にこだわるのだった。

ホテル。
キョウコはドM。言葉責めで興奮し、オッパイを強く鷲掴まれると益々悶える。そしてエクスタシーに達すると母乳がでる。
「妊娠か」とビビった一郎。「体質」だとキョウコ。「白い涙だ」と一郎。バックから攻める。

うなぎ屋。
うなぎをさばく店主とそれを見守る汗ばみ女房。

理髪店。
出前のうなぎを食う一郎と理髪店のオヤジ曰く、兄妹で営む出前のみのうなぎ屋で実はその2人が夫婦だと聞いて、生唾を飲む一郎。
しかもキモは料理にはせず、生のまま自分達で食ってるとか。

(カラー)
「ボルの上空の雲々」
「雙生の場所」

(モノクロ)
夕方。
港のそばに水に沿って細長い形に拡がった公園。
一郎は「いつも赤い夕焼けを見ているとやり場のない怒りみたいなものが突き上げてくる。が、今日は夕焼けがめっちゃキレイだ。初めてだよ」とキョウコに伝える。
キョウコの顔を見てムラムラが抑え切れずに腕をグッと掴む一郎。

ホテル。
悶えるキョウコをじっと観察する一郎。
「酷い目に合わせて欲しい」とアキコの声が聞こえてきてビビってキョロキョロ。
我に返り、強めに攻める一郎。
「縛ってぇ、、、腕をちょっとだけ、、」
浴衣の紐2つを結び、キョウコの要求に答え、突く一郎。激しく悶えるキョウコ。

タクシー。
一郎はふと「紐を解き忘れたこと」に気づく。キョウコは「いやだ。うふふ」と笑いベッタリ抱きつく。


墓地。
戒名?を読み上げて行く一郎。
墓参りするアキコ。
振り向きざまに「またその話?あるわけないわ」とイラつき顔。
ハッとする一郎。

(カラー)
「まだその場所にいる黒」


鉄の槌。
お得意様の俳優ウメムラ・アキラを相手をするキョウコ。ちょっと嫉妬一郎。
有名人は他にも小説家の花田コウタロウが来ると聞き、一郎ハッとしキョウコの胸にあったアザを思い出す。
キョウコは両腕にできた縛りアザをこっそり一郎に見せる。
「消えるまで当分他の男と浮気できないな」と一郎。
「そうなの。洋服も着れないわ」とキョウコ。

ホテル。
「腕のアザを見ると赤く燃える。他の男に抱かれてる時も。燃えてる感じの中にアザをつけた男の感じが入ってくる」とキョウコ。
一郎はキョウコの腕を縛り、「ウメムラや花田と寝たのか?」と問い詰める。興奮し悶えるキョウコ。

鉄の槌
入店一郎。
ボックス席で花田達と楽しそうに飲むキョウコの姿が見えたので帰ろうとしたが、ボックス席へ。
花田コウタロウ(幼なじみ3人組の1人)とイムラの席に合流。3人が知り合いだと知りビックリするキョウコ。
コウタロウに腕を捕まれ「あっ」と声が出てしまい横目で一郎をチラリキョウコ。
「ここはダメなの」と色気ムンムンキョウコ。
キョウコはコウタロウのタバコに火をつけ「タバコが吸う先生素敵!アノ後もそんな感じだと思うの」と匂わせる。
「その話ヤバいな。痴漢の前だぞ?」と自虐するイムラ。爆笑3人。キョトンキョウコ。


襖が開く。
和室。
正座白髪着物婆さんがお辞儀。
カメラ目線で「お客様。今からこの部屋に入ってくる女性は素人です。今後街で見かけても声をかけないでください」とお願いし、部屋から出て行く。


屋台。
飲み直す3人組。
プレイボーイコウタロウはまだキョウコとデキてはいなかった。なのにそそる様なことを言ってくるからたまらんとコウタロウ。
イムラは俳優ウメムラとデキてると睨む。

和室。
ショートヘアの女性。
赤い口紅。
ワンピースを脱ぎ下着を外す。

屋台。
「双子の姉妹と寝たい」とコウタロウ。
ムラムラコウタロウは「痴漢するぞ!いい場所がある」と2人に紹介。

和室。
寝転がりクネクネする女性。
暗闇からじっくりと覗く3人組。
暗転。襖が閉まる。

あの女には「見せること」が必要。見物人が必要ということは自分らは見物人ではなく共犯者。いや、むしろ被害者なのかもと感想を持った一郎。


ホテル。
一郎に腕を捕まれ悶えるキョウコは着物を脱ぎ全裸(足袋のみ)。
「縛って!」
キョウコの要望に答える一郎。
と、3人組の覗きシーンがカットイン。
覗かれてる気配を感じた一郎「誰だ!」とキョロキョロ。
襖を開け犯人を探す一郎。
と、押し入れの中の鏡台の自分と目が合ってドギマギ。
パウル・クレーに沢山の赤が飛び込んだ状態(カラー)。


自宅。
家族で朝食。
豪快に目玉焼きを貪る幼き息子。
食が細った一郎。
豪快にめざしをワシワシ食うエミコを見てゴクリ。

鉄の槌。
出てきた一郎に「2ヶ月間タワーで待ってたのに中間報告なし?」とアキコが詰め寄る。

喫茶店。
一郎はアキコが1度目撃したキョウコの男の特徴を聞く。
が、覚えていないととぼける。
「制服の時は口紅を落とした方がいい」と言われ急いで拭うアキコ。
それを見てホテルで裸で口紅を塗るアキコを思い出す一郎。
「キョウコを酷い目に合わせた?」と聞かれた一郎は縛ったキョウコを思い出し、縛った制服のアキコを妄想。
ムラムラした一郎は「ホテルへ行こう」と誘う。が、アキコは出て行ってしまう。

ホテル。
一郎はキョウコに制服を着させ、口紅を取らせる。1週間ぶり。「誰と浮気してた?」と言葉責め&おっぱいギュー!
手のひらの母乳を見て「やっぱり妊娠してるな?誰の子だ?」と責める。
キョウコは「縛って!」と要求。それに答える一郎。

「燃える風」(カラー)


鉄の槌。
カウンター席でオルゴールの中の踊るカップルを一点見つめ一郎。
と、キョウコが手紙を差し出す。
「私は一郎が好きです。薄暗い中でもがいてる感じが好き。前回帰ってから酷く出血。それでも好きだ好きだと思っていた」
と書かれていた。
一郎は手紙を丸め、ポケットにしまい、またオルゴールを一点見つめ。


理髪店。
オヤジ(山田)にまたエミコと親父の関係を問う。「何かあれば知ってるよ。てかそんな暇なかったよ」と返答。
一郎は親父がその時分にチヨミという芸者に入れ込んでいて女の子を産ませたことを聞いて知っていた(2人共に20年前の空襲で死亡)。
が、山田は「多分生きてる」と返答。
実は親父に頼まれて女の子は山田の籍に入っていたのだった。山田は先日手紙を出したが受取人不明で戻ってきたと話す。
その名を聞いてビックリ。腹違いの子はキョウコ(京子)
チヨミの苗字はミズシマだったが結婚して変わってるはずだと山田。
歳が23、4と聞いて嫌な予感が止まらない一郎。

「ボルの上空の雲々」(カラー)

電車通勤一郎は窓ガラスに映る自分(クリソツな親父)に対して「まだいるのですか?アナタならどうします?キミならどうするね!」と強く問う。ガラスに映る自分はニヤリと笑う。

「雙生の場所」(カラー)


鉄の槌。
一郎にアキコからTEL。
キョウコの様子が変だから何があったのか教えて欲しいと。
教える変わりに一郎は2人の関係性を質問。2人は種違いの姉妹だったと知り唖然。明日喫茶店で会う約束をし、切る。
そしてキョウコにも「明日会おう」と伝える。


翌日。
アキコをキョウコの寝ているホテルに連れて行く一郎。
キョウコはアキコにみだらな(全身縛られた)姿を見られ横を向く。
アキコは「酷すぎる!」と一郎を責める。
一郎はアキコを見て「全身縛られた制服姿」なのにビビる。
アキコは「酷い目にと頼んだけどコレは酷すぎる!」と泣く。
「アキコが頼んだ?」と知り困惑するキョウコ。
「コレはキョウコが頼んだこと。キミが知りたいと言うから結果を見せただけだ」と一郎。
制服姿と唇にムラムラした一郎はアキコを押し倒し、キョウコのカバンから口紅を探す。
と、中から大金。
手切れ金だと気づいた一郎は「ウメムラか?」とキョウコを問いただす。
「違うわ!」とキョウコ。
一郎は抵抗するアキコの唇に無理矢理口紅を塗る。
と、抵抗が弱くなるアキコが悶えるキョウコへと変わり戸惑う一郎。隣のキョウコを確認するとキョウコがアキコに。アキコニヤリ。
縛られ姿アキコを確認するとやっぱりキョウコ。アキコが口紅を塗ったことで「キョウコ化」したのだと気づいた一郎は「同じ顔になった」と耳元で囁きながら鼻息荒くおっぱいを鷲掴み。
悶えるキョウコ。
ふと我に返ったアキコ。突然キョウコに鞍替えした一郎にブチ切れて隣の部屋へ。

事後。
一郎は隣の部屋へ。
泣きっ面アキコは一郎を引っぱたく。が、一郎に抱きつき座り込む。そして口紅を拭う。
「もう口紅は必要なくなったわね」とアキコ。
「帰った方がいい」と一郎。

一郎はキョウコの紐を外し、解放。
ホテルのカーテンを開けると海が見える事に気づきキョウコを呼ぶ。
キョウコ「赤い海(夕日)ね。子供の頃よく見た。イルカ漁で血で染まる海。でも浜に上げられたイルカは可愛い顔してた。あなたって悪い人。アキコが先だったなんて」とベッタリ。
「キミは今イルカのように可愛い顔をしている。自分の血に染まって」と一郎。


暗闇。
鍵束からキーを必死に探し、ドアロックを解除しようとしている一郎。
やっと開き、ドアを開けると眩しく白い世界。思てたのと違うと感じたのか一郎はまた暗闇へ帰って行った。


自宅。
庭に巻いた種が芽を出し、青々と咲いているのに気づいた無精髭一郎。体調崩して3日寝込んでいたようだ。
と、その中から「花」が咲いてるのを見つけ、感心する。
が、昨夜山田からTELがあったとエミコから聞きドキッとする。

一郎はその「花」を辞典で調べる。
風鈴草。二年草で夏の暑さと乾燥には弱いらしい。


仕事中。
フラフラと鉄の槌へと来てしまった一郎。
ドアを開けようとしたが鍵がかかっていた。
必死であけようとガチャガチャするが諦める。

港のそばに水に沿って細長い形に拡がった公園。
ベンチに座り、物語を練る。

序章。
死病にかかった男と看病する若い妻。
その男はやがて死ぬが肉体を失っても主人公を辞めない。そしてやがて現れるだろう妻の男に激しく嫉妬。それは憎悪となり復習(殺害)を誓う。方法は「妻を凶器」にし、「妻の無意識の動作」が男の命を奪うというもの。その「仕込み」を終え、彼は死ぬのだった。
そして本編へ。

ホテル。
久々に会うキョウコと熱いキス。
が、一郎はキョウコと合わないつもりでいたと告白。キョウコは「なぜ?」と問うが、一郎におっぱいを鷲掴まれ悶える。

自宅。
風鈴草を睨みつける一郎。
突然花を引っこ抜く。
夏と乾燥に弱いはずが、生き生きと咲いていた風鈴草を地面に投げつけ踏みにじる。

理髪店。
一郎は山田から「キョウコは3年前に死亡していた」と聞き、安心した。
サッパリするとやはり親父クリソツ。
鏡越しに一郎は「アンタも色々やってたようだが僕はアンタより長生きしている。いつまでもココにいると酷い目に会うぞ」と警告した。

仕事中。
キョウコのアパートに寄り、海に誘う。

海辺の高級レストラン。
貸し切り状態。
慣れてないと嫌がるキョウコ。クチャクチャと食う。
アキコはアパートから出て行ったらしい。
と、着物の袖を上げてものを取ろうとしたキョウコ。アザが見えるので袖を直す一郎。
と、口の中が見え、クチャクチャ食ってるキョウコに呆れる一郎。
と、突然クチャクチャカチャカチャと物音。
ビックリして周りを見渡すとレストランは満員状態。
一郎はキョウコを連れ、店を出る。

廊下。
どんどんとレストランに押し寄せる客客客。
その津波のような人混みをかき分け何とかエレベーターへと入る2人。
動き出すエレベーター。
一郎はキョウコの腕にキス。
開くドア。
だれもいないフロア
閉まるドア。
動き出すエレベーター。
見つめ合う2人。
開くドア。
だれもいないフロア
閉まるドア。
動き出すエレベーター。
(各階で一々止まる)

(カラー)
「道を迷っている二人と共に」
2人(先をあるく人は赤、後を歩く人は灰色)が偶然の中を歩く。
やがてその道は行き止まり。
赤い人は偶然に対する勇気を示しているかのようで灰色の人は左手を差し出してこう言っている「この道はあそこでいきどまりだよ」






というお話。
砂繋がりか安部公房の「砂の女」と同様にムンムン、ムラムラ、ネチョネチョな質感が感じ取れる作品。
こちらは手数が多い変化球
もうちょい湿度が欲しかったけど素敵なショットが多くてたまらん。
アトミ

アトミ