ひげしゃちょー

スパイダー/少年は蜘蛛にキスをするのひげしゃちょーのレビュー・感想・評価

3.4
精神病を患っていたスパイダーの記憶の中にある子供時代の回想がひたすら続く。 回想シーンで描かれる子供や家族とともにスパイダーがそこにいる。 話が進むにつれて父親とその愛人が母を殺し、その愛人が継母になり、心に傷を負ったスパイダーはその継母を殺すが実際に死んだのは実の母だった。そのことを思い出したと同時に施設の夫人を殺そうとしている自分に気がついた。 そして病院に送り返されるスパイダーと母を殺し病院に送られるスパイダー少年が重なる。 施設の夫人が継母と入れ替わることでスパイダーは施設の夫人と継母を混同していたということがわかる。つまり、精神病は治っていなかった。 現実と妄想と回想が複雑に入り組んでいて途中までは真相に気が付かない。 ところどころにヒントは隠されていたはずだが。『裸のランチ』並に難解な作品。