はんそく負け

座頭市のはんそく負けのレビュー・感想・評価

座頭市(1989年製作の映画)
3.9
斬り合いや賭場、内田裕也の存在などはしっかりと「座頭市」している一方で、市と三木のり平の絡みや樋口可南子との混浴、生まれて初めて鏡を見た少女がその顔に死んだ母親の面影を見つける場面など、勝新の加齢も相まってか霊的な雰囲気も漂う。暴力と情念。いずれも死には違いないが決定的に異なる死の間を市と緒形拳のみが行き交う。こんな締めくくりが用意されているのはとっても贅沢なことだ。