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悪魔のシスターのadeamのレビュー・感想・評価

悪魔のシスター(1973年製作の映画)
2.5
ブライアン・デ・パルマのキャリア初期のスリラー。
向かいのアパートで起きた殺人を窓越しに目撃した女性記者が恐ろしい陰謀に巻き込まれていく物語です。
ヒッチコッキアンらしい要素を詰め込みながら、単なる模倣に終わらず独自の色もしっかり出しているのが良かったです。
ただストーリーは未整理ですし、「サイコ」のように前後半でリードを変える仕掛けはうまく機能しておらず、状況設定で前半を使い切ってしまっただけに見えます。
長尺のスプリットスクリーンも試みとしてはユニークでも、カットバックでテンポ良く見せた方が良かった気がします。
それでも粗削りな中に盛り込まれた禍々しさと殺害シーンのインパクトは素晴らしく、デ・パルマの後のキャリアの方向性が定まったと思える作品でした。
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