猫脳髄

悪魔のシスターの猫脳髄のレビュー・感想・評価

悪魔のシスター(1973年製作の映画)
3.4
ブライアン・デ・パルマはやっぱりヒッチコックがやりたかったんだね。ミステリを基調に、スプラッターというほどではないが一部にショック・シーンを取り入れ、イタリアン・ジャッロ風に仕上げたサイコスリラー。

マーゴット・キダーの自宅で起きた殺人事件を偶然目撃したライターのジェニファー・ソルトを探偵役に据え、ヒッチコック的モチーフを散りばめながら、キダーの自宅から消えた死体と、彼女の出生の秘密を追うという筋書き。画面分割により同時間2視点を演出し、緊張感を高めるなどの工夫がみられるし、コメディ要素も取り入れるなど、脚本はなかなかのもの(ネタ割れの仕方なさは措こう)。

ただ、後半にかけての演出と編集がギクシャクしており、ラストに向けてクライマックスの処理がうまくできていない点と、オチが生きなかったか点が残念。設定のわりに事件が小ぶりに終わったのももったいない。
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