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めぐり逢いのSIのレビュー・感想・評価

めぐり逢い(1957年製作の映画)
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2023.7.25
自宅にて鑑賞

世界的プレイボーイであるヒモ男は、遺産目当ての結婚に向かう豪華客船内で、同じく結婚を目前とした元歌手と恋に落ちる。男の祖母の家で男の画家としての情熱や女の歌手としての情熱が判明したのをきっかけに二人は愛を確信するも船旅は終了。半年後の再会を約束して互いに生計を模索するも、当日に女は交通事故に遭い行けず。男は祖母の死も乗り越えて女を見つけだし怒りをぶつけるが、女は男の絵を購入していることが分かり二人は結ばれる。

大ヒットの理由が分かる、ツボをおさえた名作。
船内で笑い者になっている二人。観客は同情心で好きになっていく。
また、前半で二人が互いを好きになっていく過程を丁寧に描いている。
男は女の信仰の篤さをみて、愛する祖母にその姿を重ねた。
女はプレイボーイと思っていた男の祖母への愛と、画家崩れという裏側の挫折を知った。
二人を応援したくなるのは当然の流れ。
しかし、船内が前半を占めるという、なかなかの長さ。
船を降りてからはあっという間で、再会できないのがボトム。
やけにあっさりしていると思ったら、最後に女がずっと男を思っていることが明らかになり泣かせてうまくまとめている。ふーむ、うまい。

海が明らか合成だったりするも、船の階段で隠れてキスする二人をローアングルで撮って足しか映さないカットはおしゃれ。
祖母のシーンも最初は突飛に感じたが、あのシーンは白眉だろう。祖母の感じといい、凄すぎる。

ケーリー・グラントは当時53歳。おじいさんなのに若者役。凄すぎる。
デボラカーはあまり好きになれず。

音楽も上々。

古典的名作とはこのことですね。
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