弟二郎

恋愛日記の弟二郎のレビュー・感想・評価

恋愛日記(1977年製作の映画)
3.3
『突然炎のごとく』『恋のエチュード』の原作者ロシェさんが亡くなった後、氏の自伝的女性遍歴メモをベースにトリュさんが脚色したらしく。ひどく変態。愛撫をする資格をくださいて。海苔のような身のこなして。冬は巨乳、夏は良乳て。
さすが生生しいし、画に力が戻ってる点も多々。が、たとえば海苔のような身のこなしが表現できているとはいい難いなど。創作したと思える部分に変態洞察の弱体化というかもの足りなさを感じ。うーん。
しかも終盤の小奇麗にまとめようとしてるとこあたりを偽善的だと感じてしまって。亡くなった方についての話なので遠慮があったんだろうなとも思うけど。でもどうせやるなら表現の暴力をやるって覚悟は必要だと思うんです。
生前の人の恥ずかしい瞬間を作品化しようってんだからその時点ですでに表現の暴力。そこをまともに受け止めようとせず最後に美化して終わろうってのはなんか、言い訳がましいと感じてしまいます。
いや最後の美化が説得力があって美しくまとまってるならそんな風には感じないでしょうけど、そこまでに血の通ったエピソードが多いだけに、終盤の展開の説得力のなさとか際立ち、取って付けたって言葉がぴったりのやっつけ感が漂ってて。
出すからには執念で凄味あるものに仕上げるか、そう出来ぬなら亡くなった方の自虐ネタで商売する外道ですみません位の覚悟を持つか。だろと。この方の映画見てるとそんな風に偽善的と感じることが多々あって。その点が好きじゃないです。
弟二郎

弟二郎