とにかく女好きの、特に脚フェチのおじさんの話。
こう言ってしまうとかなりヤバい感じだが、そのヤバさを通して男女の恋愛に関する考え方などがわかるような作品。
彼の恋人たちや片思いの相手との恋愛遍歴を辿っていく。
彼が彼女たちとの付き合いで考えたことなどを自伝として出版するという。
どう考えても内容はスケベなのだが、なぜかいやらしく見えない。
登場人物の女性たちが主人公に寛容なのもわかる。
彼が女性を常に目で追い、常に求めてしまうのは当たり前のことなのである。
彼に限らずのことである。
主人公のナレーションから、本を出版するほどの文才があることが伝わってくる。
「女性の脚は美しくバランス良く地球を測るコンパス」などと言ってめちゃくちゃ真剣に分析し語るのである。
それがなんだかおかしい。
滑稽な男性像ともとれる主人公だが、トリュフォー監督の「私のように美しい娘」の登場人物たちを少し彷彿とさせる。
申し訳ないけれど、オチには笑ってしまった。