Ricola

ロード・オブ・ドッグタウンのRicolaのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

カリフォルニア州にあるドッグタウンという街で生まれたスケートボードチームのZ-BOYSの変遷とメンバーの半生について描かれた、実話を元にした作品である。
元々サーフショップのチームでサーフィンをやっていたが、スケートボードに挑戦すると瞬く間に話題となっていったのだ。


Z-BOYSが初めてスケートボード大会に出場したとき、サーフィンの姿勢や動きなどから採点の基準にない技を披露するなど、前例にないことをやっていくことで、型にはまらないあり方を築き上げていく。

彼らはバカ騒ぎできるような仲間同士である。チンピラみたいな軽犯罪をおかしてヘラヘラ笑っていたのも事実なのだろう。危険と隣り合わせの行動を繰り返してそのスリルを楽しんでいるのだ。
ただそんな彼らの危険な行動のなかでも、お金持ちの家の庭にある水の張っていないプールを利用して練習するというのは、たしかに身勝手ではあるが、それこそ何もないところで新たな可能性を見出すという点では、Z-BOYSの飛躍的活動の発端と似ているようである。

青春を楽しんでいた若者たちがスケートボードにおいて社会的に成功していくと、富と名声を手にしたうえでも、引き続き刹那的な生き方を選ぶ。そのため、常識も世界も知らない彼らの人生に明暗が分かれる。

それぞれの道を進むことになっても、あの頃みんなで純粋にサーフィンやスケートボードを楽しんでいた頃は、彼らにとって唯一無二の宝物なのだと、ラストシーンの水の入っていないプールと彼らを見てそう思った。
Ricola

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