池広一夫の監督デビュー作にまたもや雷蔵様の御尊顔を拝借。奇術師月太郎と若殿の二役を傑作「怪談蚊喰鳥」の小林勝彦が鮮やかに演じきる。大名行列も早回しで小気味よく見せ、中に入った人を消す魔法の箪笥の小道具を効いており、一座巡業に付いて来た月太郎にデレデレのスリ師お京の活躍も目が楽しい。めでたしめでたしが相応しい明朗時代劇の秀作。ザ・中編て作品でほっこり。

• #2019〜

池広一夫のデビュー作。
これもまた池広一夫は最初から池広一夫だった、という証の様な作品。テンポの良いカット割と移動ショット。そのリズムは後の座頭市シリーズなどにも引き継がれている。ただ理屈抜きにこの映画は楽しい。プログラムピクチャー時代の小さな宝という感じ。
途中、市川雷蔵がゲスト出演してきたのはビックリ。何をやらせてもやはり巧いし、いつも違った顔を見せてくれる。でもこの映画では主役を食わない程度の出演。以前、池広一夫がインタビューで答えていたが、雷蔵は若手の監督に良く声をかけてくれて、「もっと僕を利用してください」と言っていたそうだ。この映画にも出たのもそういう雷蔵の一面を感じさせる。
この時代の監督は皆そうかもしれないが、池広一夫はとても職人でどんな映画も撮れてしまう。座頭市シリーズや眠狂四郎シリーズはもちろんだが、僕は彼が撮った若尾文子主演の『雁』が大好きだ。『雁』は高峰秀子主演、豊田四郎監督の作品が先にあるが、池広一夫バージョンはほとんどホラー演出の様な雰囲気があるが、切ない良い映画になっている。

• #池広一夫

すご〜〜い！ 大傑作！！
急にロングショットになったり、おしっこ漏れそうで早送りになったりと洒落た演出が満載。
痣を擦っても擦っても消えないのには大笑いだし、魔法の箱が殺陣でも大活躍で嬉しすぎるよ〜〜！！