最後に流れる、カルメン・マキが劇中でも歌った『時計を止めて』が物語の全てを優しく包み込み、オーディエンスへの最高の余韻となって響き、この映画への心象を間違いなくあげてくれた。
レイモンド・チャンドラー的ハードボイルド感(フィリップ・マーロウ感)だったり、松田優作的なチャーミングなユーモアだったり、フィルムカメラで撮ったような(実際に何で撮ったのかは知らない)ザラついた質感の、雪積もる夜のすすきのだったり。
ぼくは全てが好きであった。
あと、大泉洋は素晴らしかった。
たまに、すずむしっぽいアホさが出るのがよい。