1988年公開、高倉健主演邦画。バブル華やかなりし頃、まだダカールラリーの「Dakar」が本来の意味を為していた頃のお話。
第一印象は「詰めこみすぎ」。登場人物が多いし色々な要素（メロドラマ、成長劇、男たちの友情…）を持ち込んでいるせいで、まとまりがなかった印象が強いです。脚本家の人は群像劇みたいにしたかったと予想はつくんですけどね。
しかし、それはストーリーに限っての話。映像は本当に素晴らしい。海のような砂漠と太陽、そこに響くエンジンの咆哮。プジョー、ニッサン、トヨタ、ランドローバー、そしてミツビシ。熱情と共に砂漠を駆ける男たち。今の名前だけのラリーではなく、まだ冒険という要素があった、真の意味での「Dakar rally」がそこにはあります。だからこそ、ラストのビクトリーランに感じ入るものがあるのでしょう。かつてあった熱意の時代、挑戦と冒険の残滓を味わいたいなら、是非。
