キミシマユウキ

ペット・セメタリーのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

ペット・セメタリー(1989年製作の映画)
3.6
医師のルイスは家族を連れて田舎町の豪華な一軒家に引っ越すが、そこはトラックが良く通る危険な道で……

『ミスト』や『シャイニング』のようなホラーから『スタンド・バイ・ミー』や『ショーシャンクの空に』などの名作達の大元
!!スティーブンキング!!
が原作のホラードラマ。
定期的にゾンビ映画を注入しないと末端神経から徐々にゾンビ化に蝕まれていくという奇病を患っているため仕方なく鑑賞。


……時には死の方が良い……


ゾンビ映画=パニックホラー映画
という印象が強めかと思うが今作は一味違ったドラマ仕立てとなっている。
"愛する者との死別を受け入れる事が出来るか"
という誰しもが1度は通るであろう辛いテーマを取り扱っている。
そのため大量のゾンビも出て来ないし、活かしたガンアクションも一切ない。
ただ見終わった後はどこか哀しく、切ない気分に浸ることが出来るのだ。
登場人物に悪い奴は誰も出てこない。
それなのに負の連鎖に陥っていく展開は非常に残念だ。
しかし自分が今作の主人公と同じ立場になっていたら同じ選択をしていたかもしれない……

キャストは全く存じ上げません
ただ子役が前半は天使のように可愛いのに後半のぶっ飛び具合に演技力の底を見せられた。

メイクやら演技はチープだし後半の展開は若干無理があるが、変化球のゾンビ映画としてはもっと評価されてもいい気がする。
ただラストの主題歌はこの切ない映画に合わないロック調の曲で台無し。
と、思っていたらゴールデンラズベリーの最低主題歌賞を見事に受賞していた(笑)

ゾンビ映画好き、ペットとの死別を経験したことのある方、そしてスティーブンキング原作の幅広さを体感したい方にはオススメの作品