りさ

ペット・セメタリーのりさのレビュー・感想・評価

ペット・セメタリー(1989年製作の映画)
3.5
今度リメイクされると聞き、大昔に映画館で見たなぁ……と懐かしくなって視聴。
当時はホラーなんてほとんど見なかったので、映画館で震えてましたっけ。
派手な残酷シーンがあるわけでもないのに妙に怖かった印象なのは、奥さんのトラウマシーンのせいだったのを確認しました(笑)。

この話は基本はホラーではなく、家族愛や人間としての愛であり、死というものとどう折り合いをつけるか、という難しく大きな問題を(失敗例として)提起されてる気がします。

まだ幼くて死を受け入れられない少女を気の毒に思って猫をあの地へ埋めることを教えてしまった近所の老人、もう無理と悟りつつ人として礼と手を尽くしてくれた主人公への感謝から懸命に引き留めようとする良い幽霊、独善的ではあるけれど最悪ではない妻の両親たち。
周囲には誰も悪い人はいないのに起きてしまった不幸が更に不幸を引き起こしてしまう悲しさ。

前半、家族やその周囲を丁寧に描写された後での事故のシーンは、わかってても辛くて、主人公の悲嘆の深さがわかるだけに、あの地へ向かう姿を絶望感とともに見守ってしまいます。(ジャドもだからこそ無理に追いかけずにただ家で待ったのかなぁと←そのせいで悲惨な結果になるけれど)
個人的に、ラスト付近で良い幽霊がダメだ、と立ちふさがるのに、それを真正面からすり抜けて進んでいってしまうシーンが印象的で好きです。
邪悪な存在に変わってしまうとわかっても、それでも愛してるがゆえに諦められない人間の愚かさが切なくてたまりません……。
リメイクどうなるのかなぁ、楽しみです。
りさ

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