今年亡くなったベティブルーで知られるジャンジャックべネックスのデビュー作にして出世作。愛するオペラ歌手のコンサートを盗み録りした青年の話。
スピルバーグとジャンコクトーがクロスオーバーしたと言われたのも納得の作品でした。所謂ヌーヴェルバーグ的な遊び心と破滅的な恋愛要素が溢れつつも、スピルバーグらしい少年性のようなものが滲み出ており、全体的にスタイリッシュです。撮影、小道具、衣装、セット、劇伴は素晴らしいし、デビュー作ならではの荒削りなストーリーもかなり好きでした。良くも悪くもベティブルーは一方通行な話で、長々と代わり映えのしない展開が続く印象がありますが、一方で今作はビジュアルや音の面で楽しめる作りになっていたのが良かったです。終盤だけ人物関係がごちゃごちゃになったけど、それでもとても良いフランス映画だと思います。オススメです。
しかし今作のシンシア、アルバと言い、ベティブルーのベアトリスダルと言い、べネックスは妖艶な女優が好きだったんでしょうか。