みんと

あこがれのみんとのレビュー・感想・評価

あこがれ(1958年製作の映画)
3.6
「大人は判ってくれない」とセットで鑑賞。

映画館のシーン、突然の「水にかけられた散水夫」のオマージュシーンなど、映画を愛するトリュフォーらしい演出だと感じた。
「子供と映画を撮るのは楽しい」というインタビューでのトリュフォーのセリフがあるが、銃で撃ちあう真似をする少年たちのシーンで、そういうことか、と感じた。
映画しか生きがいを感じられなかった子供時代を過ごした彼が、その時の目線のまま映画を作ることで、子供らの見た大人の世界へのあこがれにも嫌悪感にも寄り添い、彼らの社会への訴えを代弁しているようにも感じる。

女性や性への「あこがれ」が、未熟であるがゆえに「敵意」になり、そして最後は衝撃的な大人の世界、または社会の現実を見る、という少年たちを描いた本作。
大人の世界に順応していくうちに忘れてしまった子供時代の感性や、大人への目覚めを思い出すような作品だと思った。
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