とちこ

断崖のとちこのレビュー・感想・評価

断崖(1941年製作の映画)
4.0
映画後半、警察官たちがリナの家を訪れたあたりからサスペンスの雰囲気が本格的に始まる。映画の大半がリナの視点で描かれているから、夫のジョニーに対する疑い(本当は殺人犯なのではないか?)が起点となって、普段ならそこまで気にしなくてもいい事柄にかんしても異様に敏感に反応してしまうリナの演出がとても印象的だった。
ゴダールも『映画史』の中で引用してるけど、やっぱり真っ白な牛乳が入ったグラスを持ってケーリーグラントが階段を登ってくるシーンは名シーンだ。白黒映画だからこそ、あの白さがより際立つのかもしれない。[補足]ヒッチコック「映画術」によると、白さを際立たせるために牛乳が入ったコップには豆電球が入れられていた。
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