マカロニ・ウエスタンのケレン味と文芸っぽい格調高さがドップリ詰まっていながら、即物的なハリウッド西部劇にも接近してしまっている孤高の傑作。
異常なクローズアップの連打と間延びした時間感覚の撮影なのにどうしようもなく面白いのはマジックとしか言いようがない。街描写も大量の人々が画面に蠢いて破茶滅茶にパワフル、なんだけどアレクセイ・ゲルマンみたいに猥雑なのではなく、活気に満ちてる感じ。セットもめちゃくちゃ豪華だし。それで言うと線路を工事する人夫たちとかフォードっぽい。
全部好きだが、特にオープニングシークエンス(列車が到着する辺り)は完璧なんじゃないだろうか。