まちゃんさんの映画レビュー・感想・評価

まちゃん

まちゃん

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.0

主人公・三上は不器用ながらも真面目で正義感に溢れる人物だ。しかし、一面怒りを抑え切れない凶暴性がある。己の正義感を暴力以外で表現出来ない事は三上の人生に影を落とす。そして行き着いた殺人。この作品は三上>>続きを読む

ミッドナイト・ラン(1988年製作の映画)

4.5

元警官の賞金稼ぎジャックはギャングの金を横領した会計士デュークを護送する仕事を請ける。簡単な仕事のはずがFBI、ギャング、さらに賞金稼ぎのライバルのマービンまで絡んだ一大逃亡劇となっていく…。大人の男>>続きを読む

チャップリンの殺人狂時代(1947年製作の映画)

3.7

主人公ヴェルドゥは上品さの中に底知れない怖ろしさを持った不気味な男だ。しかし、生まれながらのモンスターではない事は妻子と接する時の優しげな表情を見ればわかる。では何がヴェルドゥを冷酷なモンスターに変え>>続きを読む

市民ケーン(1941年製作の映画)

3.9

ニュース映像を模したドキュメンタリー的演出、フラッシュバックを多用した構成、パンフォーカス、クレーンショット、ローアングルなどの撮影技法。市民ケーンを語る時にはエポックメイキングな技術面に焦点が当たり>>続きを読む

Mank マンク(2020年製作の映画)

3.8

名作「市民ケーン」制作の裏側を描いた話というのがこの作品を表す時に最も使われる表現だろう。時代を表現する為にモノクロ画面を使い、わざとノイズを入れて当時のフィルムの質感を再現するこだわり。さらに回想シ>>続きを読む

ゾディアック(2006年製作の映画)

3.9

ゾディアック事件は実際の連続殺人事件だ。新聞社に送り付けられる犯人からの手紙、謎めいた暗号、テレビ番組にかかってくる犯人からの電話。次々に展開される劇場型犯罪に社会が翻弄されていく。おぞましい殺人事件>>続きを読む

羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

3.7

開発が進む現代中国。居場所の森を失った妖精シャオヘイは都会を彷徨っている時に妖精フーシーに出会う。新たな居場所を見つけたシャオヘイだったがそこへ強大な力を持つ人間ムゲンが現れてシャオヘイは連れ去られて>>続きを読む

ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

アメコミの重要な要素としてヴィランの存在がある。バットマンのジョーカー、アベンジャーズのサノス、X-MENのマグニートー…。作品全体のトーンを決めてしまう強烈な個性を持った悪役達は実に魅力的だ。しかし>>続きを読む

女囚さそり 第41雑居房(1972年製作の映画)

4.2

前作から一年後、再び収監された松島ナミは独房に入れられて過酷な状況に置かれていた。片目を奪ったナミに恨みを抱く刑務所長・郷田の虐待は苛烈を極めていく。そんなある日、看守の隙をついて6人の女囚と共に脱獄>>続きを読む

女囚701号 さそり(1972年製作の映画)

3.9

刑事の恋人だった松島ナミ。しかし恋人杉見は悪徳刑事だった。ナミは杉見の出世の道具として徹底的に利用され、裏切られてやがて刑務所に送られる。過酷な運命に遭いながらも復讐の念に燃えるナミは…。列をなす全裸>>続きを読む

羅生門(1950年製作の映画)

4.0

黒澤明作品で感心するのはそのエンターテインメント性の高さだ。それはテーマ性の高いこの作品も例外ではない。人間のエゴイズムという難解なテーマを一つの殺人事件をめぐる証言の食い違いとその真相というミステリ>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

4.4

激しい濁流が流れる川の上に掛かる朽ちかけた吊り橋。その上をボロボロの巨大なトラックが渡る。吊り橋は激しく揺れ、軋み悲鳴を上げる。叩きつける豪雨、絡みつく蔦、肌に突き刺さる枝。血と汗と泥に塗れながら男達>>続きを読む

コロニア(2015年製作の映画)

3.5

軍事独裁政権下のチリで反政府活動家として逮捕されてしまったダニエル。ダニエルの恋人レナはダニエルがある施設に監禁された事を知る。その名はコロニア・ディグニダ(尊厳のコロニー)。表向きは平和な農業コミュ>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

4.3

上弦の参・猗窩座 に鬼になれと誘われた時に炎柱・煉獄杏寿郎は断る。圧倒的な力を持つ不老不死の鬼。非力で命に限りのある人間。生物としての能力の差は明らかだ。しかし煉獄は決して鬼への道を選ばなかった。その>>続きを読む

レイジング・ブル(1980年製作の映画)

4.1

霞がかかったリング上でシャドーボクシングをするボクサーの姿。モノクロの画面の背後に流れるカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲。数ある映画のオープニングシーンの中でも有数の美しさだと思う。しかしこの物語>>続きを読む

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.0

冴えない日々を送る物理教師の城戸誠にはある計画があった。それは原発からプルトニウムを盗み出して原爆を作ること。そして計画は実行された…。原爆という恐ろしいテーマを持ちながらもその印象はどこかコメディ的>>続きを読む

ガス人間第1号(1960年製作の映画)

3.9

不可解な連続銀行強盗殺人事件が発生する。懸命な捜査の結果、容疑者として日本舞踊の家元・春日藤千代が浮上してくる。警察は藤千代の身柄を拘束するがそこに真犯人だと名乗る男が現れる…。「ガス人間第一号」とい>>続きを読む

美女と液体人間(1958年製作の映画)

3.2

タイトルに魅かれて観始めたのだが刑事ドラマが始まってので戸惑った。オープニングの核爆発のシーンや衣服を残して消える人間、科学者の登場など普通の刑事ドラマとは違う部分も見え隠れするのだが序盤は全面には出>>続きを読む

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)

4.1

会議に次ぐ会議、早口で飛び交う専門用語、次々に現れるテロップ。冒頭から情報量に圧倒される。しかしこれらが日本の複雑な意思決定システムの戯画化だと気付くと作品のテーマが理解出来るようになる。この作品は危>>続きを読む

モスラ(1961年製作の映画)

3.7

異色作のフランケンシュタインのシリーズとは違ってこの作品は分かりやすい娯楽作だ。小美人を見世物にする興行師という分かりやすい悪役。新聞記者役のフランキー堺は作品に明るい味わいをもたらしている。インファ>>続きを読む

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966年製作の映画)

3.7

フランケンシュタイン対地底怪獣の姉妹編だがどこか怪奇映画の雰囲気もあった前作とは違い、今作は完全な怪獣映画だ。ただアトラクション化した他の怪獣とは違って今作のガイラには生々しい恐怖感がある。ガイラは人>>続きを読む

フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)(1965年製作の映画)

3.6

第二次世界大戦末期、ドイツから日本にフランケンシュタインの不死身の心臓が軍事研究の為に送られてくる。しかし、原子爆弾の投下に紛れて行方不明に。15年後、謎の浮浪児が発見される…。怪しげな薬品が並ぶ研究>>続きを読む

空の大怪獣 ラドン(1956年製作の映画)

3.6

ゴジラシリーズに続いて東宝が放った史上初のカラー怪獣映画。同じ東宝の怪獣映画として初代ゴジラの二番煎じのように思っていたが違った。良く見ると新しい挑戦をしている事がわかる。その一つが怪獣を生物として表>>続きを読む

ベスト・キッド(1984年製作の映画)

3.6

いじめられっ子の少年ダニエルが空手を通じて成長をしていく…。定番の成長物語かもしれない。しかし王道のストーリーを衒い無く正面から描き切った所にこの作品の美点があると思う。ダニエルの成長の上で最も重要な>>続きを読む

オーマイゴッド 〜神への訴状〜(2012年製作の映画)

3.9

無神論者でありながらヒンドゥー教グッズで生計を立てるカーンジー。ある日、地震が起きて店が倒壊してしまう。保険会社に駆け込むがなんと天災は補償対象外。怒ったカーンジーは裁判所に神様を訴える…。コメディチ>>続きを読む

マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.8

行って戻る。ただこれだけの話が何故これほど面白いのだろう。荒涼とした砂漠を爆音を響かせて爆走する改造車。荒々しい狂気を具現化しながらも洗練されたそのデザインは作品のテーマに沿った見事なものだ。それら鉄>>続きを読む

女神は二度微笑む(2012年製作の映画)

3.8

失踪した夫を探しにコルカタにやってきた身重の妻ヴィディヤ。捜索を続けているうちに危険な陰謀に巻き込まれていく…。歌と踊り、そして長時間という典型的なインド映画のイメージに苦手意識を持つ人にはこの作品を>>続きを読む

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

3.8

デヴィッド・リンチの長編映画デビュー作。既にその独特のスタイルが完成していて驚く。無機質な工業地帯を舞台に主人公ヘンリーの苦悩が悪夢的な幻想を用いて描かれている。不快なノイズ音が流れるモノクロの画面の>>続きを読む

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

ニックと妹マーゴが人生ゲームをするシーン。これは作品のテーマを象徴している。人生ゲームは擬似的に別の人生を楽しむゲームだ。この偽りの人生というのがこの作品のテーマだ。妻エイミー失踪事件の被害者の夫とし>>続きを読む

ビジョン(2015年製作の映画)

3.9

少年サムの失踪事件。女性警察長官ミラーはヴィジャイの家族が事件に関わっていると容疑をかけるが家族には完璧なアリバイがあった…。あまり馴染みのないインド産サスペンス映画として見始めたのだが序盤は田舎町で>>続きを読む

ホビット 決戦のゆくえ(2014年製作の映画)

3.8

スピンオフとしてエンタメ寄りの姿を見せてきたシリーズだがここに来て6作全てを貫くテーマが見えてくる。それは欲望だ。故郷を取り戻して目的を果たしたはずのトーリン達ドワーフ。しかし莫大な黄金を目にした瞬間>>続きを読む

ホビット 竜に奪われた王国(2013年製作の映画)

3.7

今作はロード・オブ・ザ・リングとの繋がりを示す場面が多い。それらを観た時の興奮はスピンオフ作品ならではの楽しみだ。特にレゴラスの登場はロード・オブ・ザ・リングのファンには嬉しい。レゴラスとギムリの父グ>>続きを読む

ホビット 思いがけない冒険(2012年製作の映画)

3.8

ドラゴンというのは特別な魅力があると思う。口から炎を吐きながら街を破壊し尽くす邪竜スマウグ。この作品でははっきりとした姿は映されないのだが一瞬映る影や炎の威力が想像力を掻き立てて脳裏に強大なドラゴンが>>続きを読む

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還〈スペシャル・エクステンデッド・エディション〉(2003年製作の映画)

4.4

壮大な物語も最終章を迎えて二つの戦いに集約されていく。一つ目の戦い、ゴンドールの首都ミナス・ティリスの攻防戦のスケールは前作のヘルム峡谷での戦いをも凌ぐ。甲冑に身を包んだ騎士達の姿は中世ヨーロッパの戦>>続きを読む

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔〈スペシャル・エクステンデッド・エディション〉(2002年製作の映画)

4.4

指輪が何を象徴しているのか。金銭欲、それとも権力欲。いずれにしても普通の人間でも捉われる可能性があるというのはゴラムの姿が表してる。ゴラムとスメアゴル、善悪二つの人格の葛藤に苦しむ姿。生まれながらの怪>>続きを読む

ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間〈スペシャル・エクステンデッド・エディション〉(2001年製作の映画)

4.3

未知の世界を知る事。その快楽をこれほど感じさせてくれる作品は少ないと思う。ドラゴンクエストに代表されるRPGに大きな影響を与えた古典作品が原作だが世界観の完成度には驚かされる。ホビット庄の緑豊かで平和>>続きを読む